iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

パロディ放題「迷宮入り探偵」

 かんばまゆこの「迷宮入り探偵」を読んだ。

 

 

 

むふふ、この表紙見ていただければわかる通り、お釜帽をかぶったあの人(をパロッた人)が主人公です。

 

もちろん、本家本元と違ってすべての事件を解決しません。

というかほとんど自分では解決しません。

 

なんとなく、してる雰囲気を出すことに精を出すというか、もうとにかくそれを言っちゃあおしまいよ、というある意味ミステリ界のお約束を爽快なまでにくすぐってくる。

 

どの話というわけではないけれど、どこかにありそうなミステリーのエッセンスを思いっきり突っ込んでいるので読んでいる人ほど笑えるはず。

 

ちなみに、コナン君っポイ少年探偵(メンタル薄弱)とかも出てきて受ける。

 

上下巻ですっきり終わるのでおススメ!

 

上の表紙でもお判りだろうが、作者は名探偵コナンの犯人の人が主人公の「犯人の犯沢さん」を書いた人でもある。

 

 

こっちはこっちで、犯人から見た非情なまでのハードな街、米花町(コナンたちが住んでいる町)が描かれていて面白い。

 

上京して「米花町」に住むことになった「犯沢さん」は見かけによらず極めて真っ当な人である。

 

真っ当な神経の持ち主が、毎週のように小学生が殺人にかかわる修羅の町で生き延びることの辛さが書かれている。

そりゃ、そうだよなーという、コナンへの愛ゆえの突っ込みを楽しむマンガである。

 

 

そうそう、犯人たちの目線で描かれているといえばもう一つ有名な我らが金田一耕助の孫の方を忘れては行けない。金田一少年の事件簿外伝 だ。

 

 

 

こちらは、ほんっとに絵が原作に忠実(ちょっとかわいいけど)なので、あのテイストで犯人が「ヤバイ、大変すぎる」と思いながら犯行を行うのが面白い。

 

実際にあった事件簿のパロディなので孫の方の事件簿と合わせて読むと楽しみが3倍だ。

こんな親切な装丁もある。

 

 

 

どちらの漫画も作者のお墨付きなのである意味安心して読める。

そうそう、お墨付きと言えばコナン君人気すぎて、作者公認のいろんなスピンオフが出ておりますな。

ゼロの日常は読んだけど、警察学校編はまだなので読みたいな~

 

 

 

 

「無惨」世界初の推理小説と日本初の推理小説を読み比べた

黒岩涙香の「無惨」を読んだ。

 

無惨

無惨

 

 

  

世界で初めて書かれた推理小説「モルグ街の殺人」は知っていたけれど、日本初の推理小説は知らなかった。

 

それがこの黒岩涙香(るいこう)の「無惨」(今はやりの鬼滅の刃っぽいが無関係だ)

 

と言うことで、青空文庫で軽い気持ちで読み始めたけど、改行もないし会話のカギカッコもないし、大変読みづらい。読み終わるのに大変手こずる。

 

 なんせ、いわゆる文語体?と口語体?のはざま期なのか超読みづらい!

 

 こちら、谷間田氏(年上の探偵。ベテランだがちょっと頓珍漢なことをいうタイプ)

大鞸君(少年探偵。(谷)氏の頓珍漢な意見をちょっと馬鹿にして、自分は論理的に犯人にたどり着くぞ、と思っている)二人の会話シーン。

 

・・・最後の「成るー」が何とも言えぬ。

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kindleで画像でシェアしてみた↑こんな機能があるとは

背景も数種類選べて楽しい・・・

 

事件は現場に落ちていた「縮れ毛」から推理されるのだが、何とも頓珍漢で独断的な(谷)と髪の毛をまるでホームズのように観察して推理する(大)、結局二人とも同じ犯人にたどり着くところが面白い。

 

「モルグ街の殺人」に比べるとずいぶんと読みにくいけど・・・

確かに推理小説ではある。

 

モルグ街の殺人事件

モルグ街の殺人事件

 

 

こちら、世界初の推理小説といわれている「モルグ街の殺人」

これはね、まあ読んどくべきでしょう。当時の読者はきっと衝撃的だったと思う。

どちらも青空文庫で読めるので読んだらよろしい!

無料だしな!(鼻の孔膨らんでるよ)

 

 

さて、黒岩涙香といえば私のイメージは「幽麗塔の人」くらいだったが、

実は新聞王なんだってね!

 

ja.wikipedia.org

 

しかも、今でいう文春砲みたいな?スキャンダル専門のタブロイド紙を作り、執拗な取材をおこなうことから「マムシの周六」というあだ名がついたらしい。

 

幽霊塔は黒岩涙香が書いたものを江戸川乱歩がリライトしたことでも有名。

 

幽霊塔

幽霊塔

 

 

 

 

幽霊塔

幽霊塔

 

 (そしてイラストが宮崎駿という、もうどんだけビッグネームが集まるやら。これ、図書館で読みました。イラストが超素敵)

 

そして、忘れちゃいけないコミカライズ・・・

 

幽麗塔(1) (ビッグコミックス)

幽麗塔(1) (ビッグコミックス)

 

 

これも無駄にお色気シーンが多いのであるが、やはり美麗な絵がたまらぬ。

 

 

そんな黒岩涙香話をもう一つ。

 

涙香迷宮 (講談社文庫)

涙香迷宮 (講談社文庫)

 

明治の傑物・黒岩涙香が残した最高難度の暗号に挑むのは、IQ208の天才囲碁棋士・牧場智久! これぞ暗号ミステリの最高峰! いろは四十八文字を一度ずつ、すべて使って作るという、日本語の技巧と遊戯性をとことん極めた「いろは歌」四十八首が挑戦状。そこに仕掛けられた空前絶後の大暗号を解読するとき、天才しかなし得ない「日本語」の奇蹟が現れる。日本語の豊かさと深さをあらためて知る「言葉のミステリー」です。 

 

こちらは、2017年このミステリーがすごい国内1位だった作品。

未読なんだけどさ。涙香つながりで気になっている。

 

 

 

 

個人的京極夏彦フェア「今昔百鬼拾遺 月」を読んだ

先月は個人的京極夏彦フェアであった。

そもそも去年夏くらいから「別々の出版社から、毎月一冊 今昔百鬼拾遺シリーズを刊行」していた京極夏彦

 

うわー、こりゃすごいね、と遠巻きに見ていたのだがメルカリにて三冊セットでお安く出品されているのを発見して思わずポチリ。

 

 

 

今昔百鬼拾遺 天狗 (新潮文庫)

今昔百鬼拾遺 天狗 (新潮文庫)

  • 作者:京極 夏彦
  • 発売日: 2019/06/26
  • メディア: 文庫
 

 

 

今昔百鬼拾遺 鬼 (講談社タイガ)

今昔百鬼拾遺 鬼 (講談社タイガ)

 

 

 

今昔百鬼拾遺 河童 (角川文庫)

今昔百鬼拾遺 河童 (角川文庫)

  • 作者:京極 夏彦
  • 発売日: 2019/05/24
  • メディア: 文庫
 

 

 イヤー久しぶり読んだ。

ひさしぶりすぎて、すっかりあの京極節にあてられてしまい、とりあえず登場人物のおさらいがしたくなってしまい、とはいえあの厚みに再チャレンジする体力がないので漫画版でお茶を濁す

 

そもそも、京極堂のスピンオフのような感じであの拝み屋で古本屋の目つきの悪い人は出てこず、その妹の中禅寺敦子と前回の事件の関係者の少女「呉美由紀」ちゃんを軸にした物語。

 

で、読みだすと呉美由紀の以前の事件のにおわせが気になっちゃって途中でこちらの漫画版に手を出す。

 

ichieda.hatenablog.com

 

絡新婦の理で被害者の友達としてキーパーソンを務める、きわめて「まっとう」ではきはきしたかわいい女の子。ええ、もちろん読んだはずなのに全く記憶になかったですよ。

 

絡新婦の事件後、またしても自分の居場所が見つからないようなお嬢様学校に転校させられてしまう美由紀が、またしても立て続けに事件に巻き込まれるのだが、今回はすべて京極堂の妹、中禅寺敦子と美由紀が解決していく。

 

物語のテーマは以外にもLGBTなどが含まれる。

敦子が慎重に語るのに対し、美由紀は説明できないけどこんなのおかしい!と叫ぶ。

 

毎回、京極夏彦がやっていた言葉による憑き物落しを少女のまっとうな感性だけでやってしまう感じ。それはそれでスカッとする。

 

ただ、京極さんの少女に対する幻想がちょっと重めだと、四半世紀以上前の少女だった私は思うのだ。

 

いつもいつもこんなに、まっすぐでまっとうだったら、それはそれで鼻つまみ者になるだろう。少女ならあり、という感じが少し透けて見えているというか。少女に夢を持ちすぎだ。

 

いや、もっと気楽に楽しめばいいのだけど、ね。

そして、結局京極フィーバーに火がついてしまって言うのだけど。

(漫画版を・・・3シリーズ揃えてしまった)

 

 

さて、上記の3作、1冊1冊は極めて常識的な厚みであるがこないだ一冊にまとまって新書が出ていた。

 

今昔百鬼拾遺 月 (講談社ノベルス)

今昔百鬼拾遺 月 (講談社ノベルス)

  • 作者:京極 夏彦
  • 発売日: 2020/08/07
  • メディア: 新書
 

「先祖代代、片倉の女は殺される定めだとか。しかも斬り殺されるんだという話でした」 昭和29年3月、駒沢野球場周辺で発生した連続通り魔・「昭和の辻斬り事件」。七人目の被害者・片倉ハル子は自らの死を予見するような発言をしていた。ハル子の友人・呉美由紀から相談を受けた「稀譚月報」記者・中禅寺敦子は、怪事件に不審を覚え解明に乗り出す。(「鬼」)

複雑に蛇行する夷隅川水系に、次々と奇妙な水死体が浮かんだ。3体目発見の報せを受けた科学雑誌「稀譚月報」の記者・中禅寺敦子は、薔薇十字探偵社の益田が調査中の模造宝石事件との関連を探るべく現地に向かった。第一発見者の女学生・呉美由紀、妖怪研究家・多々良勝五郎らと共に怪事件の謎に迫るが―。山奥を流れる、美しく澄んだ川で巻き起こった惨劇と悲劇の真相とは。(「河童」)

是枝美智栄は高尾山中で消息を絶った。約二箇月後、群馬県迦葉山で女性の遺体が発見される。遺体は何故か美智栄の衣服をまとっていた。この謎に旧弊な家に苦しめられてきた天津敏子の悲恋が重なり合い―。『稀譚月報』記者・中禅寺敦子が、篠村美弥子、呉美由紀とともに女性たちの失踪と死の連鎖に挑む。天狗、自らの傲慢を省みぬ者よ。憤怒と哀切が交錯するミステリ。(「天狗」)

さすがの厚み。ポケット六法くらいはありそうな・・・ そして、お値段。

漬物はつけられないけど、ドアを開くために使ったりくらいはできそうなレベル。

 

さて、おかげさまでずっと卒業を決め込んでいた京極堂を再読しようと思いたったものの、取り合えず志水アキの漫画版から手を出しちゃっているのである。

(だってノベルスは重いんだもん)

 

志水アキといえば、京極堂シリーズのコミカライズをずっとやってくれている人で、イメージピッタリな絵が大変好ましい。

 

最近こんなスピンオフ?を出して話題作になっている模様(読まなきゃ・・・)

 

 

 さあ、今年の読書の秋は私は京極堂シリーズをちょっと読んでいこうとおもっている。

個人的には、民俗学とかそういうモチーフの本が読みたい気分。

何だろ、大人になったからだろうか?都会的でスタイリッシュじゃないミステリが読みたいのだ。

 

 

 

妖怪サンエンケチリ~ブックオフにはエコバックを持っていけという話

昼休みにふらふらとブックオフへ行った。

その日のお目当ては夏だからちょいとホラーっぽいマンガがあれば、だった。

いや、もっと言えばその前の日にTwitterで知った高階良子のマンガがあればゲットしようという腹だった。70年代から活躍している少女漫画家だ。

 

 

じゃじゃーん。お目当ての高階良子を含む3冊をゲット。

 

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勇んででレジに行くときは何にも考えてなかったわけですよ。

 

財布以外持っていない手ぶらであることをすっかり忘れてた。レジ袋いかがされますか?一枚3円です。といわれるまでね。

 

ま、これくらいなら手で持てるしって断ってそのまま店から出たのだが。

 

・・・エレベータで若い同僚たちと乗り合わせてとっても恥ずかしかったとさ!

やっぱブックオフの透けないレジ袋には意味があったのだな。

 

いわれのない(こともないが)辱めを受けてしまったぜ!という話を娘にしたら

「あーそりゃ、妖怪サンエンケチリだ」と言われた。

 

なんですか、令和の世にそういう妖怪が生まれたらしいですよ・・・

ええ、もちろん地球にやさしい鬼太郎の仲間です。

 

 

さて、恥ずかしさを忘れるためにふごふごと読んだ。

 

 

少女の肩上であざ笑う不気味な人面疽。そこには隠された謎が……

サーカスの花形スター・潤にはだれにも言えない秘密があった。それは彼女の肩にきざみこまれた人面疽……。その潤の周りで隠された財宝をめぐって次々と惨劇がおこっていく。そのたびに、なぜか潤の右肩はうずくのだった。
横溝正史原作『夜光虫』のコミック版。ほか3編を収録。

 

そう、私のAmazonさんがなぜか高階良子のまんがを推しまくってくるのでなぜかと思っていたが、なんと原作横溝正史ということらしい。

 

この作者さんは、横溝正史のコミカライズを多く手掛けていてその多くがタイトルまで変えられているのでとても気づきにくい。

 

さて表題の「血まみれ観音」はタイトルのインパクトだけで涼しくなるどころか軽く発熱しそうだが横溝正史の「夜光虫」が原作。

 

残念なことに未読だが、どうやら原作をだいぶん編集してあるらしい。

 

サーカスに売られた両親を知らぬ娘「潤」と彼女の父の残したお宝を狙った大勢の有象無象、幼いころに結婚を約束した青年、などなど当時の少女たちをキュンキュン楽しませたであろうなぁ。

ネタバレ気味だが、肩にほにゃららを埋め込まれたためその傷口が人面瘡になってしまうという。

 

人面瘡・・・今調べたら結構ショッキングな画像が出てきてチーンってなった。

でも、架空の病気とも書いてあった。大人になったいまでももしかしたらと思ってしまう。

 

夜光虫 (徳間文庫)

夜光虫 (徳間文庫)

 

なぜか、kindle版は角川文庫からで出ていない。(いつものあの感じの表紙じゃない!)

 

 さて、次は山岸涼子の私の人形はよい人形。有名だが読んだことはなかった。

 

 

怖いわ!しかし、怖さを感じる基礎知識が足りなくて恐怖も8掛けだった気がする。

タイトルになっている「私の人形はよい人形」というのは当時のわらべ歌だったようだが、登場人物たちが口ずさむそのフレーズを知って読めば、おそらく怖さは倍増するだろう。

絵柄は、細くて繊細。いわゆる白っぽい画面なのだがその乾いた感じがまた怖い。

美しい人形を自分のものにしたっていう女の欲求が、ドロドロしているはずなのにどこか遠くから眺めるような淡々としたストーリー展開。

 

最後に美少年の霊能者も出てくるところも素晴らしい。

 

古今東西、怖い人形の話というのはたくさんあるだろうがまさしく横綱級と思われる。

終わり方もね、イヤーな感じなのよう。

 

 

もう一冊買ったんだけど。

既に読んだことあったけど何となく。だって110円だったから。

 

 最初のページにこの漫画のトリックは占星術殺人事件のトリックを使っています。と堂々と断ってあった。

 

ほー、

 

実は金田一君の事件簿のエピソード、今読んでいる有栖川有栖シリーズでもちょいちょい見かけるのだよ。

 

これってやはりお断りとか入れてるのだろうか?

推理小説が考え出したトリックには著作権ってあるのかなー。

占星術殺人事件 (講談社文庫)

占星術殺人事件 (講談社文庫)

  • 作者:島田 荘司
  • 発売日: 1987/07/08
  • メディア: 文庫
 

こちらも、当時の日本中のミステリファンをあっと言わせた名作。

 

これを読んだあと友だちに、私の体が切り刻まれた時の判別方法を語り出して引かれた。

右腕は三角形のホクロがあって、みようによっては、かわいい熊ちゃんに見えるのでここはよう覚えといて欲しい…と。

汚れなき女子大生時代である。

 

ちなみに、歳を取るとホクロって増えたり減ったらするんですな。今では切り刻まれたらわからなくなっております。

 

そんな感じで、妖怪サンエンケチリは次は何を買おうか悩み中である。

山岸涼子が思いのほか刺さったので、検索してみたけどどうやらkindle化お断りの作者さんのようで、ない!

これはまたブックオフ案件ですな。

 

 

 

 

 

 

 

「インテリア」野間美由紀さんを悼む

高校生の時に友達が大好きで、よく押し貸しをされていた漫画家の野間美由紀さんが、5月にお亡くなりになっていたようだ。

59歳、まだまだな年齢だなあ。

 

代表作といえば「パズルゲーム☆はいすくーる」をまさしく高校生の時に読んでいたのだが、そのころなかった言葉「リア充」達の解き明かす謎に、まぶしさとやっかみを感じていたことを思い出す。

 

 

間に挟まれた☆が時代を感じる・・・

 

新聞で訃報をしって懐かしくなり、ブックオフで見つけた一冊を読んでみた。

インテリア (白泉社文庫)

インテリア (白泉社文庫)

 

 

インテリアデザイナーの木綿子(ゆうこ)を軸にした連作ミステリー 

5歳年下の恋人たかやと二人で事件を解決していくのだが、トリックとしてはそこまで凝ったものではない。

それぞれの話はしっかりミステリしているし、恋愛要素とかも絡んで美しい絵柄だと思う。

 それでもどうしても良くも悪くも安定の火曜サスペンス劇場感。

 

ページ数にもよるのだろうがどうしても「犯人」の描写を「目つき顔つき態度の悪い奴」という絵柄で表現しちゃっている気がする。

 

登場シーンから、あなた犯人ですね?というか・・・

(もっと私をどんでん返してくれ!)

 

それから嫌いじゃないけど、必ず挟んでくるお色気シーンがちょっと苦手。

まあ、これは掲載紙による都合とかもあるんだろうなあ。

今回も、これでもかというくらい毎回毎回・・・いやいいよ、大人やしな。

 

高校生のとき読んでいた パズルゲーム☆はいすくーるは、その後成長してシリーズ化するのだが、だんだんお色気描写増えていくんだよねー

 

・・・リア充め。

 

それにしても久しぶり読めて楽しかった。

少女漫画界ミステリーという一分野を切り拓いた野間美由紀さん、安らかにお眠りください。

 

 

「幻の女」あの名作と同じタイトルだ!

横溝正史の「幻の女」を読んだ。

 

相変わらず素晴らしい表紙絵。めちゃくちゃ唇かんでて、超悔しそう・・・

血しぶきもすごい!

 

幻の女 「由利先生」シリーズ (角川文庫)

幻の女 「由利先生」シリーズ (角川文庫)

 

 

「人殺し!」叫び声を聞いた俊助は部屋に飛びこみ、浴室のカーテンをまくり上げた。瞬間、彼はその場に立ちすくんだ。浴槽には胸を抉られ、鮮血を滴らせる女が浮かんでいたのだ! 全米を震撼させた殺人鬼「幻の女」が日本へ上陸との知らせを受けた敏腕記者三津木俊助は、早速真相究明に乗り出した。だがその直後、彼女の仕業と思われる殺人事件に巻きこまれてしまった……。由利先生と三津木俊助の名コンビが凶悪な女殺人鬼と対決。探偵小説の醍醐味を満喫させる傑作、ほか二篇収録。

 

妻と喧嘩し、あてもなく街をさまよっていた男は、風変りな帽子をかぶった見ず知らずの女に出会う。彼は気晴らしにその女を誘って食事をし、劇場でショーを観て、酒を飲んで別れた。その後、帰宅した男を待っていたのは、絞殺された妻の死体と刑事たちだった! 迫りくる死刑執行の時。彼のアリバイを証明するたった一人の目撃者“幻の女”はいったいどこにいるのか? 最新訳で贈るサスペンスの不朽の名作。 

 

本家(ウイリアムアイリッシュ)とずいぶん違う、というか、同じだったらさすがによろしくないのだが、同じような話が実は別のタイトルで書かれている。

ichieda.hatenablog.com

こちらの話は、だいぶん本家に近い。

 

しかし、やっぱり本家は未読・・・ てへ。
いま、kindle春のハヤカワ電子書籍祭(4/13まで)をやっているので、買うべきか?

・・・と巡回していてついこちらを購入してしまった。だってこっちのほうが読みたかったんだもん!そのうち感想を書きます。

 

三体

三体

  • 作者:劉 慈欣
  • 発売日: 2019/07/04
  • メディア: ハードカバー
 

  

 

 さて、横溝正史の「幻の女」に時を戻そう。

 

以下3篇からなる短編集

幻の女

幻の女というからには儚げが美女かと思いきや、アメリカから帰ってきた

「人を殺すことを大根を切ることと同じくらいにしか思わぬファントムウーマン」だそうで・・・これだけ聞くとゴリエちゃんみたいなの想像しますけども、実際には妙齢の美女から、品の悪いお嬢様、品のいいシンデレラガールなどいろんな女が出てきます。

 

推理小説というよりは、ノリと勢いの冒険活劇という感じで楽しめた。

の方のレビューで見たのだが、由利先生が地味!うむ、確かに。

なんでも、由利先生は金田一耕助の出現により、書かなくなったというよりとってかわられたらしい。

確かにどちらかというと、敏腕新聞記者・三津木俊介のほうが目立っている。

カルメンの死

おお、まったくもって記憶にないので読み返した。
蝶々殺人事件と登場人物が被る?オペラ界の男女のもつれから始まる殺人事件。

 

ビジュアル的には、箱詰めの花嫁衣装の死体とか派手で素晴らしい!

 

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この話、なんかデジャブと思ったらコミカライズされたものを持っていた。ザ、昭和の劇画って感じですな。

こちらは由利先生、いいとこ見せてます。

そして!等々力警部も出てきます。

 

 

 

猿と死美人

またでたな、死美人!しかも今回は死んでない!瀕死の美人でした。

猿は○○のために用意されていた。

奸計にかけた、とはこういうやつをいうのでしょう。

こちらは三津木くん大活躍!

それにしても、敏腕花形新聞記者の彼が、特ダネを拾うのはわりと身近な人物のおかげが多いなー

 

この間は妹、次は恋人、今回は親友。

 

まさしく、三津木の周りに事件あり。江戸川コナンかーい!とツッコミたくなった。

 

春ともコロナとも全く関係なく、ひたすら自分の読みたいものだけ読んでいるこの頃。

 

ちなみに本日は、東京都の小池知事が不要不急の外出を避けるよう発表した日。

後で思い返して、あれ、ちょっと大げさだったよねと言えるといいなと思いつつ。

 

 

 

まだ初々しい火村と有栖「ロシア紅茶の謎」

 有栖川有栖の国名シリーズ「ロシア紅茶の謎」を読んだ。

というより、ロシア紅茶の~を書いてから国名シリーズを書こう!と思い至ったようでですよ、あとがきによると。

 

作詞家が中毒死。彼の紅茶から青酸カリが検出された。どうしてカップに毒が? 表題作「ロシア紅茶の謎」を含む粒ぞろいの本格ミステリ6篇。エラリー・クイーンのひそみに倣った〈国名シリーズ〉第1作品集。 奇怪な暗号、消えた殺人犯人に犯罪臨床学者・火村英生とミステリ作家・有栖川有栖の絶妙コンビが挑む!

 

 

初出は1993年あたりらしく、かれこれ30年近く・・・うわーってなるね。

そういえば大学の時に読んだわ~

 

このころはまさかドラマ化されてイケメン俳優どもが演じるなんて夢にも思わず、失礼ながら私の中では著者近影の写真のおじさんが有栖だったわけで、そういう意味では萌えていなかったのだ。というか当時は萌えという言葉もなかったがな。

 

ただ、パズルのように論理的でいてキャラクターのたってるミステリというのが珍しい時代だったので、ただひたすらそのトリックに感動していた記憶。

 

 それが、今ではこんなイメージ。いいけど。いや、この方がいいけど。

ちなみにこちらのコミカライズも面白かった。絵が美しかったよ。

 

アリスはちょっとだけポンコツで、でもその言葉をきっかけに火村が推理を展開するところなんてな定石がこのころから使われていたようだ。

30年も歳を取らずこの関係を続けている二人。

30年も火村の抱えている闇を訪ねきれない有栖。

 

・・・めちゃくちゃ仲いいくせして!

 

そろそろ、人を殺したいと思ったことがある火村の過去が語られてもいいのではないだろうか?それとも、最新刊あたりでは語られちゃったりするのかな~

 

ガラスの仮面と一緒で謎はちゃんと回収してちょうだいよ!ってハラハラしだした。

何せ作者も、そろそろ高齢者かもしれぬし。いや、定年のない仕事とは思うけれども!

思うけれどもぶっちゃけますと、死ぬ前にちゃんと大掛かりな伏線回収してね!っていうね。

 

ちなみに、ガラスの仮面は最新刊待ちで何年過ぎただろう(遠い目)

月影先生がいよいよヤバくなって5年って言わないのではないだろうか・・・

このままだと作者の前に私が先にぽっくり行くかもしれぬ。