iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

しをんちゃんのAudibleオリジナル作品「墨のゆらめき」

三浦しをんの「墨のゆらめき」を読んだ。いや、正確に言うと聞いた。

(大好き過ぎて、作者をつかまえてちゃん付けしてしまった・・・)

 

【オーディオファースト作品】直木賞作家・三浦しをんによるAmazon オーディブル書き下ろし小説。

小さなホテルに勤める続力(つづき・ちから)は、顧客の「お別れの会」の案内状の宛名書きを依頼するため、町で書道教室を営む遠田薫(とおだ・かおる)のもとを訪れる。遠田はなにやら過去のありそうな男だが、さまざまな筆跡を自在に書きこなす腕前の持ち主だった。続が文面を考え、遠田がそれを書き記す形で、二人は協力して手紙の代筆業をはじめることになるのだが――。

 

書道つまり文字の話を朗読するって、ちょっとおもしろいかなと思って、と作者は書いているが、

たしかに聞いている最中は主人公の「つづき ちから」が「爽やかでちょっと気の弱そうな好青年」ということはわかるが「続力」というちょっとめずらしい名前であることはわからない。

それは、薫とのちょっとした会話である時ふと明かされるのだ。

(わざとだな、しをんちゃん・・・)

 

朗読のみを前提に描き下ろしているからこその(そして読者もそれを知っているからこその)あそびだ。

 

ストーリーは、しをんちゃんお得意の男性同士の友情プラスアルファのちょっとだけ特別な関係を描いた作品。

 

特別な関係っていうと変な想像を回してしまうけれど、10組いれば10通りの人間関係が築かれるのだなぁと、しみじみわかるというか。

 

マンガ「落語心中」に似たかぐわしい匂いを感じる。(この匂いが大好きな人達がきっといるはずですね!)

朗読ありきで作った作品なだけに流石にイケボでござった。

 

Audibleは月の冊数制限がなくなって、聴き放題に近い上にこんなサービスまでして・・・サブスクってすごいなぁ。

まさか、いきなり課金するためにまずは虜にするつもりなんじゃないでしょうね!

サンプルで違法薬物を渡す的な!?

 

宣伝をするわけではないのだが、Audible で聞けすぎちゃってこのブログが滞りまくっているくらいなのだ。

 

もちろん、紙で読む>電子書籍で読む>Audubleで聞く くらいにしか頭に入らない気もするけど、そもそもエンタメと割り切って楽しく読書をしている人にはとってもおすすめ。

 

最近では「正体」とか「ストーンサークルの殺人」なんかが面白かった。

 

最初はあの事件をあの犯人を思わせる「卑怯な人物」が、逃亡中に出会った人々とのエピソードを通じて徐々に正体を表していくサスペンス。おもしろかった!

ドラマ化しているようだ。なるほど。亀梨くんがでているのか。

 

こちらの英国ミステリーもキャラが立ってておもしろい。

主人公ワシントン・ポーの音の響きがよくて、つい何度もつぶやいてしまう。

米国のハードボイルドとは違い、少々マイルドな感じだ。ひねくれ具合が少ないっていうか。紅茶も飲むし。でもワイルド!

 

 

頭に入りにくいとはいえビジネス書もたくさんあるので、どーしても読みたくないけど聞くだけなら耐えられそうって、こんな超有名なビジネス書を読んで結構感銘を受けたりもしている。

 

さすが、名著!子どもに読ませたい、って思ったもん。

結局頭にはあまり残っていないけどww

この本は買って手元に置いておいてもよいかも。(いや、実際本屋で文庫版を手に取ったんだけど字がちっちゃくてそっと棚に戻した)

もう一回聞くとするか。

 

手がふさがっているけど、耳と頭は空いているような時にはおすすめ。

私は台所仕事はほぼコレ聞きながらやってます。