iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

たとえて言うなら「絶妙+」和山やまのマンガ

立て続けに2冊、和山やまのマンガを読んだ。

本屋さんとかで少し前から気になっていた作品だ。

 

夢中さ、きみに。 (ビームコミックス)

夢中さ、きみに。 (ビームコミックス)

 

気になる君はうしろの席に――。
WEBなどで噂の作品たちが待望のコミックス化。
話題の作品「うしろの二階堂」は全ページ加筆修正のうえ、30ページ以上の描き下ろし続編を収録。

おいてる場所がBLコーナーだった?ために、とっても誤解していたよ。

ちょっと気になる男の子の絵だな(でもBLなんだろうな)と。

 

いや、このご時世でもあるし私もBL完全否定はではないのだが、アラフィフになってデビューしたくないというか。新たな扉を開いてしまうことへ、変化への恐れと受け取ってもらって構わない(要するに差別してるわけじゃないの!と言いたい)

 

で、娘(1号)の本棚にあったのを見つけさっそくこっそり読む。

 

ちなみにうちの娘(1号)によると、「私の本棚にあるやつは読んでも割と大丈夫だけど、2号の部屋のは、やばい。ガチ」らしい。(お母さん恐いよ!隠して!!!)

 

さて、このマンガなんというか「絶妙」だった。

ものすごくざっくりいうと、男の子同士の友情なんだけども、

同性間の淡い恋とかではなくて、 もちろん少年ジャンプ的な「一回神社の裏でタイマン張って育てる熱き友情」とかでもなくて(いつの時代だ)

なんというか、令和の時代の空気感がとてもよく表されていると思った。

 

いま盛んにLGBTについて認知が進んでいるけれど、

性別の前に人間同士の関係があって、それはもう各々のペアの数だけバラエティがあるのだと改めて気づかせされてくれるというか。

 

前半は男子校の林君を軸にし登場人物が潤に代わっていく連作、後半は二階堂君と目高くんの話。

 

いや、よかったわ。面白かった。
単純に「この人が気になる」でも好きとかではないなんだろうという、ほわほわっとした部分を救い上げるのが上手。

 

 

そして、最近発売されたこちらも娘の本棚にあった。

 

カラオケ行こ! (ビームコミックス)

カラオケ行こ! (ビームコミックス)

 

合唱部部長の聡実はヤクザの狂児にからまれて歌のレッスンを頼まれる。
彼は、絶対に歌がうまくなりたい狂児に毎週拉致されて嫌々ながら
歌唱指導を行うが、やがてふたりの間には奇妙な友情が芽生えてきて……?
話題の作品が描き下ろしを加えて待望のコミックス化!! 

 

こちらも、一筋縄ではいかない関係性!やくざと中学生男子の友情?にちょっぴりそれ以上の関係。

ま、全体としてはギャグマンガなのだけど。

突然現れたヤクザの狂児は、組長主催のカラオケ大会で最下位になりたくない(なぜなら組長に趣味の素人刺青を入れられてしまうから)がゆえに、中学生の合唱コンクールでが勝負部長の聡実に指導を乞う。

 

もう設定自体が面白いのだけど、聡実のビビりつつもはっきり物を言うところとか、狂児の人当たりの後ろに見え隠れするアウトサイドな一面とかがよすぎて、ちょっと言葉にできないので、他人様のレビューを読みまくってしまった。

(読みまくって、「ブロマンス」という言葉も学んだ)

 

いや、もう皆さん全くそうだ!説明の難しい魅力が詰まっていると思う。

そして、図らずもキュンキュンしてしまうというか、なんというか。

 

きっと、すごくニッチなとこを救い上げているのだけど、もっていき方がうますぎて

割と範疇外のアラフィフ(私だ)の胸にまで響いちゃっている感じ。

 

とはいえ、絵はまだ粗削りというか独特というか(一部、佐々木倫子の絵柄に似てると思ったんだけど。動物のお医者さん)。これから伸びる漫画家さんだと思う。

面白いマンガになかなか巡り合えないなーと思っている方におすすめ。

 

懐かしの動物のお医者さん。(わが家は今さら息子がはまり中)

 

 

動物のお医者さん 1 (花とゆめコミックス)