iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

「白痴」焼き鳥たべれなくなるやん・・・

坂口安吾の「白痴」を読んだ。

 

体験した者にしか書けないであろうリアル空襲の描写にガクブルだった・・・

 

主人公伊沢は映画の演出家で「表現者である俺」を自負しているのだが、一方で月給の心配をしている。

そんな自分がイヤで仕方がない。いっそ、戦争がすべて焼き尽くせば良いと思っているのだ。

そんな、自暴自棄と保身の綱渡りをしている彼の部屋に、いきなり隣家の嫁が逃げ込んでくる。

 

彼女は白痴で(これ、今の使っていい言葉で言うとなんなのかしら?)とても美しく品が良いのだが、少々足りない。

 

最初は、姑のヒステリーから逃れてきたのだろうと思い、匿ってやるつもりだったが彼女は実は彼が自分を愛してくれると思って彼の部屋にやってきたのだった。

 

その日から、彼は白痴の女を部屋に隠して何食わぬ顔で生活を始める。

しかし彼女を愛しているとかではなさそうで、まるで家具が一つ増えたくらいかそれ以下などと平然とうそぶくのだ。

 

そのくせ、彼女が部屋にいることを知られるの極端に恐れ、空襲のときも誰にも見られないように最後まで居残る。

 

その空襲の最中の描写が本当に怖かった・・・人間も焼き鳥のようなものだと。

極限状態であるはずなのに伊沢は冷静に燃えさかる街を表現する。

 

それでも、彼は女と生きるために必死で走る。走りながら、

 

 

 

f:id:ichieda:20210412175335j:image

なんて、とっても素敵なセリフを吐くのだ。

 

今までほとんど意思表示のなかった彼女がごくんと頷いたことに彼は激しく感動する。

 

しかし、命からがら逃げ延びて休んでいる最中に彼女が寝ている様子を見て

「まるで豚のようないびき」だと思い、それでも「彼女を捨てることすら面倒くさい」と思うのだった。

 

どうしてそんなにひねくれたか伊沢。と思わんでもない。

 

きっと二人は生き延びて長生きして平和な時代になっても二人で暮らしていると思う。というか、そうであってほしい。

 

戦争は怖い。そんなシンプルな小学生のような感想で申し訳ないが、この本を読んでほんとにそれが一番に来た。

極限を知った人たちに対して、私達の敬意は足りていないんじゃないかと反省した。

 

 青空文庫で小一時間で読めるので、ぜひ。

白痴

白痴

 

昭和初期に活躍した「無頼派」の代表的作家である坂口安吾の小説。初出は「新潮」[1946(昭和21)年]。映画会社に務める伊沢は、豚と家鴨が同居する珍妙な下宿に住んでいる。そのとなりに住む白痴の女が突如部屋に現れたことから、彼の生活が変った。戦時下の異様な時間間隔と、立ち上る身体性をセンセーショナルに描き、文壇だけでなく終戦直後に多くの人から注目を集めた。 

 

 

ちなみに、「白痴」で有名なのはもう一つドストエフスキーの「白痴」だが、

なんかの本でバーテンダーが白痴を読んでいて主人公が「ドストエフスキーの白痴」だと思って話しかけたら「坂口安吾のほうの白痴だ」といわれるシーンが有って、やたらかっこよかったんだけど、なんの本だったか?

 

ハードボイルドだったような・・・原寮だったか、伊坂幸太郎だったか。

ああ、脳がかゆい!!

 

でも、確かこのバーテンダーは「白痴」を何回も読み直しているって言ってた。

何度も読むほど好きな本を持っているのって少し憧れる。

 

白痴1 (光文社古典新訳文庫)

白痴1 (光文社古典新訳文庫)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜終わっちゃったけど「桜の森の満開の下」

坂口安吾の「桜の森の満開の下」を読んだ。

 

桜の森の満開の下

桜の森の満開の下

 

昭和初期に活躍した「無頼派」の代表的作家である坂口安吾の小説。初出は「肉体」[1947(昭和22)年]。通る人々が皆「気が変になる」鈴鹿峠の桜の森。その秘密を探ろうとする荒ぶる山賊は、ある日美しい女と出会い無理やり妻とする。しかし、それが恐ろしくも哀しい顛末の始まりだった。奥野建男から「生涯に数少なくしか創造し得ぬ作品の一つ」と激賞された、安吾の代表的小説作品。

前回、桜の樹の下には死体が埋まってるを読んだあと、なんかもやもやしていたのだが、多分2冊の本の記憶がごっちゃになっていたからだ。

 

  

ichieda.hatenablog.com

 

 

いや、坂口安吾さんは美しい女性には恨みでもあるんかいな。

小説の舞台はおそらく室町時代とかのあたり。

満開の桜は不思議な魔力を持つとされ恐れられていた時代の話しだ。

 

無茶苦茶な山賊がある日一人の美しい女性を強奪してくるのだが、それが恐ろしい女だったという話。

女はその男にたくさんの人々の首を持ってこさせ、その首で人形ごっこして遊ぶのだ。

そこら辺の描写がグロテスクすぎてうへぇとなりがちだが、とにかくひどい。

 

最後、結局男は女が鬼だと気付き桜の木の下で絞め殺してしまうのだが、絞め殺した死体は鬼ではなくやはり女だったのだ。

 

女が鬼だったのか、それとも桜が鬼に見せていたのだろうか。

何かを考えることをいつも途中であきらめてしまう男は、これからどうなっちゃうのだろうか。

十分悪逆非道なことをしてきたのだからしょうがないんだけど、知らなかったことを知ってしまったがゆえに男は不幸になったのだろう。

 

桜にまつわる2冊の本だが、梶井基次郎の桜は透明感のある怖さ。

坂口安吾の方は血なまぐさい、こってりした怖さがある。

何にせよ桜は怖いのである。

花の下で宴会をするようになったのは江戸時代かららしい。

 

 

ギムレットにはまだ早い「ロンググッバイ」

レイモンドチャンドラーの、というかレイモンドチャンドラーが憑依した村上春樹の「ロング・グッドバイ」を読んだ。

 

私立探偵のフィリップ・マーロウは、億万長者の娘シルヴィアの夫テリー・レノックスと知り合う。あり余る富に囲まれていながら、男はどこか暗い蔭を宿していた。何度か会って杯を重ねるうち、互いに友情を覚えはじめた二人。しかし、やがてレノックスは妻殺しの容疑をかけられ自殺を遂げてしまう。が、その裏には悲しくも奥深い真相が隠されていた……村上春樹の新訳で話題を呼んだ新時代の『長いお別れ』が文庫版で登場

邦題「長いお別れ」も大概の人のハートをわしづかみにしてきたはずだが、あの村上春樹の新訳が出ていると知って読んでみた。

 

ハードボイルドの金字塔と言われ、多くの名台詞があることでも有名だが中でも

ギムレットにはまだ早い」

は超有名かもしれない。

出典を知らなくてもこのセリフは知っている人も多いのでは。

 

さて、このセリフどういう意味か私は完全に間違った解釈をしており、今日読み終わって軽く衝撃を受けているのだ。

10代後半に読んだはずなんだけども、ちっとも覚えていないのでもしかしたら「ハードボイルドを読む自分」へのあこがれが強すぎる記憶の捏造?・・・

というくらい誤解していた。

 

まじで

ギムレット(はアルコール濃度が高いので、一杯目には)まだ早い」

だと思っていた。

かけつけ3杯とか言われて育った時代なので、「まずはビールでしょ」みたいな?

 

びっくりするぐらい全然違った。もっとずっと奥深くかっこいいセリフであった。

 

f:id:ichieda:20210404213434p:plain

ちなみに春樹訳では「早すぎるね」になっている。

どちらにしろ、主人公の私立探偵フィリップマーロウのセリフではなく、友人の別れ際のセリフになる。

おっと、これ以上言うとネタバレになっちゃうぜ。

 

とにかく、このフィリップマーロウときたら、かっこよすぎて一回も崩れないのだ。

これって、今の時代の「ハードボイルドのテンプレ」みたいになっちゃって、

真似するとかっこ悪くしかならないので、誰も真似ができない作品だと思う。

 

かといって、硬くて面白みのない男と思ったら大間違い。

シニカルな観察眼や、独特の言い回し。おちょくってんのかもしれない話し方・・・

 

村上春樹訳がくせが強すぎて読んでると、自分がマーロウみたいなしゃべり方(をしようとしてるだけだけど)になってしまうのだ。

つまり、かなり中毒性が高い。

 

何にせよ読み終わったら、ギムレットを飲んでみたくなること請け合いなのである。

 

もちろん私はギムレットについてもリサーチした。

tanoshiiosake.jp

 

マーロウの友人レノックスのギムレットについてのうんちくが面白い。

今のレシピとはだいぶん違うようで、その通り作ると結構甘くなるのでは?

という人もおられた。現在のギムレットジンベースの結構辛口のカクテル。

 

私?私ももちろんギムレットを、と言いたいところだがやっぱりビールを飲んでしまいましたとさ。

(最近ではキリンの金色の期間限定のビールが華やかな感じがしておいしかった。)

 

ちなみに映像化もされているみたいでいろいろヒットしたけどAmazonにはなかった?謎。ちなみに、この長いお別れNHKで日本版もドラマ化されているっぽい。

 

1回 色男死す

1回 色男死す

  • メディア: Prime Video
 

 

マーロウ役を浅野忠信、レノックス役は綾野剛らしい。なかなかな感じ。

面白そう。

 

 

 

「ヨチヨチ父」誰が書いた本かわからんくなってる

ヨシタケシンスケの「ヨチヨチ父」を読んだ。

 

 

ヨチヨチ父 とまどう日々

ヨチヨチ父 とまどう日々

 

 とにかく絵がかわいいヨシタケシンスケ

シンプルなラインだけど真似できない、絶妙な線。

かわいいけど、甘いばっかりじゃなくてしょっぱいというか、やや黒い部分もまあまあ出してくるエッセイは、絵本に見せかけて完全に大人向けだ。

 

さて、印税が彼に行かなくて申し訳ないがブックオフでこちらの「ヨチヨチ父」をゲットした。

 

なんと、この本すべてのページに前任者?元の持ち主のコメントが付箋で書かれているのを見たからだ。

なんだこれ、面白すぎる!!!!と思わず購入。

f:id:ichieda:20210318214939j:imagef:id:ichieda:20210318214944j:imagef:id:ichieda:20210318214950j:image

これが書き込まれてたんだったら相当イヤなんだけど、付箋ならはがせるし、汚いながらも味わいのある字だなと思ったし。

 

もともとは初めて子育てをするパパの大いなる苦悩とちょっぴりの幸せをつづったイラストエッセイなのだが、名も知らぬ前任者のコメントが大変ご丁寧に張り付けられているため、どうしてもエッセイよりも先にそちらを読んでしまう。

 

えーっと、結論から言うと「やめてください」

 

いや、最初に開いたページはなかなかのクオリティのコメントだったので、おうちに連れ帰ったのだが、意外と「おれは、おれは」が鼻についてくるっつーか。

まあ、素人だから面白くなくても勘弁せねばいかんのかな。と素人がエラそうなことを言ってみた。

 

今回、ブックオフの検品の甘さにも驚いたけど、私的には古本に何か挟まってると、無性にうれしい。

古いしおりとか挟まってるとほくほくしてコレクションに加える。

 

ちなみに最近のヒット「前任者からのお手紙」は

カレルチャペックの園芸家の一年に挟まっていた水キムチのレシピだ。

 

園芸家の一年 (平凡社ライブラリー)

園芸家の一年 (平凡社ライブラリー)

 

 むむ、水キムチって作れるんだ~

作ってないだろうな~前の人。テレビか何かを見ながらレシピを控えたらしい。

 

 この、スマホがあればほぼなんでもできる時代に、

届くかどうかもわからない、しかも誰に届くかもわからない、絶対に返事の来ない手紙を出すのもなかなか酔狂。

いい感じにいうと、宛先のないボトルレター的な?

まあ、ブックオフのバイトの人がきちんと検品してたらサクッと捨てられるやつ。

 

 私も隣に感想書いた付箋を貼って、ブックオフに売ろうかな~~

 

 

 

パロディ放題「迷宮入り探偵」

 かんばまゆこの「迷宮入り探偵」を読んだ。

 

 

 

むふふ、この表紙見ていただければわかる通り、お釜帽をかぶったあの人(をパロッた人)が主人公です。

 

もちろん、本家本元と違ってすべての事件を解決しません。

というかほとんど自分では解決しません。

 

なんとなく、してる雰囲気を出すことに精を出すというか、もうとにかくそれを言っちゃあおしまいよ、というある意味ミステリ界のお約束を爽快なまでにくすぐってくる。

 

どの話というわけではないけれど、どこかにありそうなミステリーのエッセンスを思いっきり突っ込んでいるので読んでいる人ほど笑えるはず。

 

ちなみに、コナン君っポイ少年探偵(メンタル薄弱)とかも出てきて受ける。

 

上下巻ですっきり終わるのでおススメ!

 

上の表紙でもお判りだろうが、作者は名探偵コナンの犯人の人が主人公の「犯人の犯沢さん」を書いた人でもある。

 

 

こっちはこっちで、犯人から見た非情なまでのハードな街、米花町(コナンたちが住んでいる町)が描かれていて面白い。

 

上京して「米花町」に住むことになった「犯沢さん」は見かけによらず極めて真っ当な人である。

 

真っ当な神経の持ち主が、毎週のように小学生が殺人にかかわる修羅の町で生き延びることの辛さが書かれている。

そりゃ、そうだよなーという、コナンへの愛ゆえの突っ込みを楽しむマンガである。

 

 

そうそう、犯人たちの目線で描かれているといえばもう一つ有名な我らが金田一耕助の孫の方を忘れては行けない。金田一少年の事件簿外伝 だ。

 

 

 

こちらは、ほんっとに絵が原作に忠実(ちょっとかわいいけど)なので、あのテイストで犯人が「ヤバイ、大変すぎる」と思いながら犯行を行うのが面白い。

 

実際にあった事件簿のパロディなので孫の方の事件簿と合わせて読むと楽しみが3倍だ。

こんな親切な装丁もある。

 

 

 

どちらの漫画も作者のお墨付きなのである意味安心して読める。

そうそう、お墨付きと言えばコナン君人気すぎて、作者公認のいろんなスピンオフが出ておりますな。

ゼロの日常は読んだけど、警察学校編はまだなので読みたいな~

 

 

 

 

暗黒文学少女?「本田鹿の子の本棚」

前から気になっていた「本田鹿の子の本棚」がプライムで読み放題になっていたので喜び勇んで読んでみた。

 

 

 

 

 

 

現時点でプライムの会員特典はこの2冊。

特に、本棚にに寝そべってるイラストが印象深かったんだけど、読んでみたら思ってたのと全く違った。いや別のベクトルで面白かったんだけど。

 

いやね、読んだ本紹介するエッセイスタイルの漫画かな?と思っていたが全然ちがって

 

最近全く会話どころか笑顔すら見せてくれない娘と交流を図るべく、こっそり娘の本棚の本をチェックする父親の話(?!)だった。

 

 

娘の読んでいる本は、全て作者のオリジナルぶっ飛びストーリーで、そもそも小説の内容がマンガで描かれている。

 

娘の読む本に衝撃を受ける父。(確かにあんまりな内容の話ばかりだ)

彼女の好むあんまりな「暗黒文学」がこの漫画のミソだ。

 

父もちょっとアレな感じなので「お父さん頑張れ、娘、もっとお父さんにやさしくしてあげて」とはちっとも思わない。

 

そして私もひそかに子供たちの読むマンガに衝撃を受けている・・・

いや皆まで言うまい。成長の過程であろう。・・・隠せ、頼む。

 

 

確かに本棚はその人の人となりをさらけ出してしまうもんね・・・

こんな本もあるくらいだ。

 

本棚が見たい!

本棚が見たい!

 

 私も見たい。

 

はてなブログでも「#我が家の本棚」っていうお題があったもんなぁ。

 

お題「我が家の本棚」 - はてなブログ

 

 

 

さて、思っていたのとベクトルが違った、っていうのはこういうのを想像していたからだ。

 

 

バーナード嬢曰く。: 1 (REXコミックス)

バーナード嬢曰く。: 1 (REXコミックス)

 

 このマンガ家さん、実は大好きなのだ。(ただ、なんというか万人受けしない感が・・・)

 

でも、本好きの人で未読の人いたらこのシリーズはホント読んでほしい。

こちらは、実在の本を扱った熱い?文学少女ギャグ。どんな分野だ?

 

 

 

やっぱり爽快!「ホワイトラビット」

伊坂幸太郎の「ホワイトラビット」を読んだ。

 

ホワイトラビット(新潮文庫)

ホワイトラビット(新潮文庫)

 

兎田孝則は焦っていた。新妻が誘拐され、今にも殺されそうで、だから銃を持った。母子は怯えていた。眼前に銃を突き付けられ、自由を奪われ、さらに家族には秘密があった。連鎖は止まらない。ある男は夜空のオリオン座の神秘を語り、警察は特殊部隊SITを突入させる。軽やかに、鮮やかに。「白兎事件」は加速する。誰も知らない結末に向けて。驚きとスリルに満ちた、伊坂マジックの最先端!(解説・小島秀夫 

なんて言ったらいいんでしょう、伊坂幸太郎にしか書けない空気感だな~

 

今回の話では盛んに作者が読者に話しかけてくる「そんなご都合主義と思うかもしれないが、そんなことはない」とか「最初に説明しておかなければならない」などなど、人を食ったようなナレーションが差しはさまれる。

もちろん計算づくだ。

ちなみにタイトル「ホワイトラビット」は因幡の白兎から取られている。

 

古事記に出てくる有名すぎるエピソード向こう岸まで渡るために、「数を数えてあげるから並んで~」サメをだますあのウサギだ。

 

そうそう、この物語前半の主人公は兎田という。

そして、ああ犯人の名前は「稲葉」だったな・・・くぅぅ細かい気遣い!

 

物語の中にはもう一つ、何度も「レ・ミゼラブル」が登場する。

読み終わるまで5年かかったっす!という軽すぎる空き巣見習いとか、なんか素敵やんと思う。

先輩にすすめられた本を5年かけて読む。なかなかできん素直さ。当の泥棒の先輩は映画版でしか見ていないのだか。

ちょっと読みたくなったけど、読み終わるまで5年か・・・と思うと私も映画を見ることにしよう。

 

 

レ・ミゼラブル (2012) (字幕版)

レ・ミゼラブル (2012) (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

さて、ストーリーは途中から注意深く読んでいないとちょっとだけ空中に宝利投げられたような気分になる。

 

特に、立てこもり犯、立てこもり犯が探している男、なぜかかかわりあいになった空き巣、今までの不運を帳消しにしたい親子たちがくるくると入れ替わる。

 

ネタバレになるので言えない。言えないけどこの伏線回収の爽快さはさすが伊坂幸太郎!という感じ。

 

悪い奴はちゃんと捕まる。いい人だと思っていた人も過去の罪を告白して捕まる。

不遇続きの者はちゃんと温情措置がある。すべてはパチッと音がするように決まった気がする。

 

読んで楽しい小説っていうはこういう物をいうんだろうな~

あ、でも今回のヒーローである黒崎は空き巣だった。