iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

読書感想

「透明人間は密室に潜む 」今年のこのミス国内第2位!

阿津川 辰海の「透明人間は密室に潜む」を読んだ。 初読みの作家さんだが、最近よく名前をみかけるなーと思っていた。 透明人間は密室に潜む 作者:阿津川 辰海 発売日: 2020/04/21 メディア: Kindle版 透明人間による不可能犯罪計画と、意外すぎる動機。裁判…

青空文庫があるじゃないか!これ読んどけの10冊 ~文豪(ストレイドッグス)編~ 

あっという間に寒くなって、師走。いよいよステイホームもう一度の雰囲気になってきた感もある。 こんな時は本を読もうぜ! お財布が軽かったり、なんかピンとくる本が見るからないときは青空文庫があるじゃないか! しかし、何せ膨大な青空文庫の本を前にど…

「遠野物語」謎のオシラ様に萌える

女は40を過ぎると着物が着たくなるというが、本読みは40歳すぎると、古事記とか、万葉集とか、遠野物語とかを読みたくものである。 ・・・堂々と書いてみたが嘘だ。しかも40を過ぎたのは結構前だ。 京極夏彦をまとめて読んだら、急に遠野物語を読みたくなっ…

結末を作らないリドルストーリー「追想五断章」」

米澤穂信の「追想五断章」を読んだ。 追想五断章 (集英社文庫) 作者:米澤 穂信 発売日: 2012/04/20 メディア: 文庫 大学を休学し、伯父の古書店に居候する菅生芳光(すごう よしみつ)は、ある女性から、死んだ父親が書いた五つの「結末のない物語(リドルスト…

前半で投げ出さなくてよかった「禍家」

三津田信三の「禍家」を読んだ。 禍家 (角川ホラー文庫) 作者:三津田 信三 発売日: 2013/11/22 メディア: 文庫 怪異が蠢く呪われた家で少年を襲う惨劇とは!?身の毛もよだつ最恐ホラー!12歳の少年・棟像貢太郎は、東京郊外に越してきた。しかし、初めて住むは…

たとえて言うなら「絶妙+」和山やまのマンガ

立て続けに2冊、和山やまのマンガを読んだ。 本屋さんとかで少し前から気になっていた作品だ。 夢中さ、きみに。 (ビームコミックス) 作者:和山 やま 発売日: 2019/08/10 メディア: Kindle版 気になる君はうしろの席に――。WEBなどで噂の作品たちが待望の…

個人的京極夏彦フェア「今昔百鬼拾遺 月」を読んだ

先月は個人的京極夏彦フェアであった。 そもそも去年夏くらいから「別々の出版社から、毎月一冊 今昔百鬼拾遺シリーズを刊行」していた京極夏彦。 うわー、こりゃすごいね、と遠巻きに見ていたのだがメルカリにて三冊セットでお安く出品されているのを発見し…

「空蝉処女」~おとめ、と読むんですよ。

横溝正史の「空蝉処女」を読んだ。うつせみしょじょですって!キャーと思っていたら、「処女」とかいて「おとめ」と読ませるらしい。 ほーここはイコールなものなのか?ま、いいや。 どちらにしろすごいタイトルだ。 由利先生シリーズだか、由利先生が出てく…

「血蝙蝠」ブラッドバッドマン!

横溝正史の由利先生シリーズ「血蝙蝠」を読んだ。 血蝙蝠 「由利先生」シリーズ (角川文庫) 作者:横溝 正史 発売日: 2020/05/22 メディア: Kindle版 肝試しに荒れ果てた屋敷に向かった女性は、かつて人殺しがあった部屋で生乾きの血で描いた蝙蝠の絵を発見す…

「スイス時計の謎」選民思想ってやーねー

有栖川有栖の「スイス時計の謎」を読んだ。 スイス時計の謎 (講談社文庫) 作者:有栖川 有栖 発売日: 2006/05/16 メディア: 文庫 2年に一度開かれていた“同窓会(リユニオン)”の当日、メンバーの一人が殺され、被害者のはめていた腕時計が消失! いったいな…

モロッコ水晶の謎

有栖川有栖の「モロッコ水晶の謎」を読んだ。 モロッコ水晶の謎 (講談社文庫) 作者:有栖川 有栖 発売日: 2008/03/14 メディア: 文庫 とある社長邸のパーティに招かれた推理作家・有栖川の目前で毒殺事件が発生! 邸内にいた十人の中でグラスに毒物を混入でき…

「マレー鉄道の謎」鳴かぬ蛍が身を焦がす

有栖川有栖の「マレー鉄道の謎」を読んだ。 スウェーデン館に続き、火村シリーズ二つ目の長編。 流石に長編は読み応えがある。 マレー鉄道の謎 〈国名シリーズ〉 (講談社文庫) 作者:有栖川有栖 発売日: 2013/08/02 メディア: Kindle版 大学時代の友人がやっ…

猫づくし「ペルシャ猫の謎」

有栖川有栖 国名シリーズ第5弾「ペルシャ猫の謎」を読んだ。 ペルシャ猫の謎 (講談社文庫) 作者:有栖川 有栖 発売日: 2002/06/14 メディア: 文庫 「買いなさい。損はさせないから」話題騒然の表題作。「ペルシャ猫の謎」。血塗られた舞台に愛と憎しみが交錯…

ネタバレサイトを読んでも納得いかぬ「去年の冬、きみと別れ」

中村文則の「去年冬、きみと別れ」を読んだ。 なんかずっと気になっていた本と勘違いして?購入。 新聞の書評で読んだ… 警察ミステリで… 被害者だか加害者だかの人間ドラマがミステリを超えていて…もはや純文学?だ こんなミステリ読んだことないと誰かがコ…

「英国庭園の謎」国名シリーズ第四弾!

合本版を買ったので、今まで躊躇してた国名シリーズをまくっている。 火村英生〈国名シリーズ〉9冊合本版 (講談社文庫) 作者:有栖川有栖 発売日: 2019/09/27 メディア: Kindle版 合本版って、思うんだけど読み上げるときになんというかちょっとした「ため」…

風が吹けば桶屋が儲かる、かどうかはわからんけど今回は防災用品がすごく売れたよね「ブラジル蝶の謎」

有栖川有栖の国名シリーズ第3弾「ブラジル蝶の謎」を読んだ。 ブラジル蝶の謎 〈国名シリーズ〉 (講談社文庫) 作者:有栖川有栖 発売日: 2013/08/02 メディア: Kindle版 美しい異国の蝶が天井を埋めた部屋で殺害されていた男。何のために蝶の標本が天井に移さ…

「スウェーデン館の謎」と知らない国についてググる話。

有栖川有栖の「スウェーデン館の謎」を読んだ。 スウェーデン館の謎 (講談社文庫) 作者:有栖川 有栖 発売日: 1998/05/15 メディア: 文庫 取材で雪深い裏磐梯を訪れたミステリ作家・有栖川有栖はスウェーデン館と地元の人が呼ぶログハウスに招かれ、そこで深…

「46番目の密室」

有栖川有栖「46番目の密室」を読んだ。そう、先日買った合本版の1冊目だ。 せっかくなので、表紙がイラストの方をカドカワビーンズ文庫版を張り付けてみる。 臨床犯罪学者・火村英生の推理 I 46番目の密室 (角川ビーンズ文庫) 作者:有栖川 有栖 発売日: 2012…

ごめん、確かにそう思ってたわ!「え!? 絵が下手なのに漫画家に? 」

私の好きな漫画家の一人「施川ユウキ」のエッセイマンガ「え!? 絵が下手なのに漫画家に? 」を読んだ。 え!? 絵が下手なのに漫画家に? (ヤングチャンピオン・コミックス) 作者:施川ユウキ 発売日: 2019/03/19 メディア: Kindle版 単行本未収録のデビュ…

「刺青された男」読み応えある短編集

横溝正史の「刺青された男」を読んだ。 刺青された男 (角川文庫) 作者:横溝 正史 発売日: 2012/10/16 メディア: Kindle版 灼熱の外洋でも、絶対にシャツを脱がない大男の船乗りがいた。他人に見せられない刺青をしているという噂がある男だ。ある日、私が船…

「欲がでました」久々のブックカフェと本屋パトロール

やっと近所のブックカフェが再開した。 今まで当たり前にできていたことが、できなくなってどれほどつまんないか! コロナも怖いけど、じわじわと共生していくしかないのだろうな。 お店の人ありがとう!物流の人ありがとう!とにかくいろいろありがとう! …

「拝み屋郷内 花嫁の家」手に汗握る?アクション怪談!

拝み屋郷内シリーズの「花嫁の家」を読んだ。 拝み屋郷内 花嫁の家 (MF文庫ダ・ヴィンチ) 作者:郷内 心瞳 発売日: 2014/09/25 メディア: Kindle版 拝み屋を営む著者が、これまで一度も最後まで語ることも記録に残すことも許されなかった、忌まわしき怪異譚を…

「双生児は囁く」タイトルだけでもザ横溝って感じ。

横溝正史の「双生児は囁く」を読んだ。 残念ながら表紙は杉本一文ではない。どういうチョイスなんだろう? 双生児は囁く (角川文庫) 作者:横溝 正史 発売日: 2012/10/16 メディア: Kindle版 真鍮で作られた檻の中に飾られた真珠の首飾りは、「人魚の涙」と呼…

6月に読んだ漫画 5冊

さてさて、あっという間に2020年も半分終わってしまい、終わってしまってから早10日以上もたっております。 6月に読んだ漫画というタイトルで記事を上げるのもたいがい時期を逸しているきもするけども。 なんだろう、このさらさらと私の指から流れ落ちる時間…

「塙侯爵一家 」幸せになるには程々が良い

横溝正史の「塙侯爵一家 」を読んだ。 塙侯爵一家 (角川文庫) 作者:横溝 正史 発売日: 2012/10/16 メディア: Kindle版 霧深いロンドンの街の片隅で秘密裡に進められたある計画。それは、莫大な資産家塙侯爵の息子で欧州留学中の安道を、思い通りに操れる偽者…

志村後ろ後ろ!?的な?「私の家では何も起こらない」

恩田陸の「私の家では何も起こらない」を読んだ。 私の家では何も起こらない (角川文庫) 作者:恩田 陸 発売日: 2016/11/25 メディア: 文庫 小さな丘の上に建つ二階建ての古い家。幽霊屋敷に魅了された人々の記憶が奏でる不穏な物語の数々。キッチンで殺しあ…

当時のなろう系?「黄金の指紋」「真珠塔・獣人魔島」

横溝正史の「黄金の指紋」と「真珠塔 獣人魔島」をよんだ。 どちらもジュブナイル、言わゆる青少年向けの(横溝正史にしては)健全で明るい物語である。 黄金の指紋 「金田一耕助」シリーズ (角川文庫) 作者:横溝 正史 発売日: 2012/10/16 メディア: Kindle版…

「ほしとんで」青春と自意識

まさかの俳句で青春マンガ 本田の「ほしとんで」を読んだ。 ちなみにガイコツ書店員さんで有名な「本田」は著者名(もう少し何とかならんのか) 基本的に敬称略の私のブログでは、本田の、とか書くとなぜかドギマギする。 おさまりが悪いというか、むしろご…

「悪魔の家」由利先生頑張って!

横溝正史の「悪魔の家」を読んだ。 悪魔の家 「由利先生」シリーズ (角川文庫) 作者:横溝 正史 発売日: 2012/10/01 メディア: Kindle版 武蔵野の面影をとどめた杉並木に生暖かい夜霧が立ちこめる人けのない道。帰途を急ぐ新日報社の花形記者三津木俊助は、背…

「呪いの塔」横溝先生×乱歩先生の仲良を知れ

横溝正史の「呪いの塔」を読んだ。 あんまり有名ではないけれど、傑作だと思う。 呪いの塔 (角川文庫) 作者:横溝 正史 発売日: 2012/10/16 メディア: Kindle版 軽井沢高原の朝もやの中にうっそりとそびえるバベルの塔。この塔の外側には放射線状に伸びた七つ…