iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

なんかkindle本70%offはすでに始まっているぽい。

今年もAmazonのサイバーとブラックとかの大規模セールが予定されているようですな。

 

 

Amazonさんとは、ずぶずぶの関係なのでいい加減自分でも怖いんですけど、kindleは読み上げてくれるので体にやさしいんですわ。最近長い小説を読むのがつかれる。

しかも通常の本屋と違って値段が変わるところも射幸心をあおるというか・・・

 

 

 

amzn.to

 

まんまとあおられて、去年も結構買った気がする。

ichieda.hatenablog.com

前回のセールで購入した「ある男 平野啓一郎著」はめちゃくちゃ面白かった。

通常なら買わない本を買って新しい世界に触れるのはいい。
今回もある男はセール対象みたいなので、ぜひ。

 

ざっと見たところすごい数なので、4000冊・・・カテゴリを選択して探していくしかないかなと。

とても探しにくいけど、去年よりシリーズが絞られている?ので探しやすいかも。

目玉は陽気なギャングシリーズかな。

 

あと、山本周五郎が55円・・・うーん、31冊もあるのか~

 

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さて、私は今回のセールで狙っているものがあるのだ。

本ではないのだが、fireスティックが壊れたので買いなおしたい!

 

 そして、在宅勤務でいい加減画面の小ささに辟易したのでモバイルモニターを買って、スティックをつなげて、ユーチューブとか見ちゃおうかなと。

読む順番大事!「悲しみのイレーヌ」→「その女アレックス」→「傷だらけのカミーユ」

今更だけど、2015年のこのミステリーがすごい 海外部門1位の「その女アレックス」を読んだ。(5年前か~)

 

なんか表紙の絵が怖くて、絶対残虐なシーンがありそう、と自主規制してたのだが、この間セールになっていたので3冊まとめ買ってみた。

(そういえば、そろそろこのミス発売じゃないかしら。年末のお楽しみ。

 →調べたら12月頭発売の模様) 

 

 

その女アレックス (文春文庫)

その女アレックス (文春文庫)

 

英国推理作家協会賞を受賞した大逆転サスペンス。貴方の予想はすべて裏切られる!
おまえが死ぬのを見たい――男はそう言って女を監禁した。檻に幽閉され、衰弱した女は死を目前に脱出を図るが……。ここまでは序章にすぎない。孤独な女の壮絶な秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける慟哭と驚愕へと突進する。「この作品を読み終えた人々は、プロットについて語る際に他の作品以上に慎重になる。それはネタバレを恐れてというよりも、自分が何かこれまでとは違う読書体験をしたと感じ、その体験の機会を他の読者から奪ってはならないと思うからのようだ」(「訳者あとがき」より)。未曾有の読書体験を、貴方もぜひ!

 

いやーさすが史上初6冠だわ。面白かった。

敬遠せずに読めばよかった。久々にアップダウンの激しい楽しい読書体験だった。

 

アップダウンが激しい、というより物語の視点が章ごとに犯人からの視点、警部からの視点、くるくると入れ替わる忙しい。

 

しかも、フランス語の名前でさーぞや読みづらかろう、と思いきやこれが本当にわかりやすくて驚く。

(とはいえ、残念な私の脳はルイ=類、アルマン=有満、マレヴァルに至っては前原とかってに脳内命名して乗り切ったのだけど。)

 

 さて、「話題作のその女アレックスの前に、悲しみのイレーヌを読むべし」

   読めばよかった!

  出版順が逆やんけ!

 

などのレビューを読んでいた私はきちんと、悲しみのイレーヌから読んだ。

 

 

悲しみのイレーヌ (文春文庫)

悲しみのイレーヌ (文春文庫)

 

週刊文春ミステリーベスト10 2015年海外部門 1位!

コニャック・ミステリ大賞など4つのミステリ賞を受賞!

異様な手口で惨殺された二人の女。カミーユ・ヴェルーヴェン警部は部下たちと捜査を開始するが、やがて第二の事件が発生。カミーユは事件の恐るべき共通点を発見する……。ベストセラー『その女アレックス』の著者が放つ衝撃作。あまりに悪意に満ちた犯罪計画――あなたも犯人の悪意から逃れられない。

これね、タイトルがあかんと思うのよ。それから、表紙こわすぎ!

 

イレーヌは、主人公カミーユの妻の名前なのだが、とても魅力ある女性。

でもタイトルにある通りこの人がきっと酷い目に遭うのかな、と思ってしまう。

彼女が魅力的に描かれていればいるほど、いつ悲劇が訪れるのか予感しながら読むしかなくなってくる。

 

この話も壮大な仕掛けがあって、ネタバレしようにも難しいというか・・・

もう一度読み返したくなること必須なのである。

 

ここから先はネタバレなので未読かつ記憶力の良い方はこの一文は読まずに飛ばしてください。

 

犯人が誰かわからない、のはミステリーなのだから当たり前なんだけど後半からのぬぐえぬ違和感。今までの物語の一部は小説家の犯人の書いたものだったのだ。

どこからどこまでが、犯人の書いた物語なのか読み返せばきっとわかるのだろうけど、とにかく、今まで読んでいた感じの良い女性のイレーヌと憎めない男カミーユもすべて「本当の」イレーヌとカミーユではないと明かされるのだ。

 読みながら二人のことが好きになっていた読者はものすごくはしごを外された気分を味わう。

 

 

とにかくパンチのある後半戦のためにぜひご一読を。としか言いようがない。

 

そして、「その女アレックス」

 こちらも、章ごとに語り手が変わっていくので、視線がポンポン変わる。

 

この物語の秀逸なところは、アレックスという女が

被害者→加害者→被害者と変わっていくところ。

これ、少々ネタバレになってしまうのだが、私の説明する力が拙いだけではなくてどんだけネタバレをしても、読んだら衝撃を受けると思う。

 

とにかく、最初誘拐されてひどい目に合うアレックス(結構残虐シーンありでこわい)がかわいそうでしょうがない。でも、だんだんアレックスの賢さと強靭な精神力に舌を巻き始める。

そして、脱出に成功した後のアレックスは警察に通報するでもなく不可解な行動に出る。

それから、だんだん怪物のような背景が立ち現れるのだがそれはすべて意味のある行動であったことがわかる。

それにしてもアレックスの過去はかわいそうでしょうがない。

こんな終わらせ方を選んだ彼女は本当に賢い女性であったろうと思う。最善ではなかったかもしれないが。

 

すべて、意味が、あった。

 

読了後、こんなため息がでる作品だった。あんまりおもしろかったので、3部作の最終話も読んだ。

 

 

週刊文春ミステリーベスト10 2016 海外部門1位!
カミーユ警部の恋人が強盗に襲われ、瀕死の重傷を負った。一命をとりとめた彼女を執拗に狙う犯人。もう二度と愛する者を失いたくない。カミーユは彼女との関係を隠し、残忍な強盗の正体を追う。『悲しみのイレーヌ』『その女アレックス』の三部作完結編。イギリス推理作家協会賞受賞、痛みと悲しみの傑作ミステリ。解説・池上冬樹週刊文春ミステリーベスト10 2016 海外部門1位!
カミーユ警部の恋人が強盗に襲われ、瀕死の重傷を負った。一命をとりとめた彼女を執拗に狙う犯人。もう二度と愛する者を失いたくない。カミーユは彼女との関係を隠し、残忍な強盗の正体を追う。『悲しみのイレーヌ』『その女アレックス』の三部作完結編。イギリス推理作家協会賞受賞、痛みと悲しみの傑作ミステリ。解説・池上冬樹 

カミーユは、この三部作の主人公。腕利きの刑事だが140センチ台の身長しかない。

事件で最愛の妻を亡くし、息あう捜査班のメンバーもとうとう二人も減ってしまい意気消沈中。

いきなりアルマンが死んでしまったのはびっくりした。

しかも冒頭から病死の葬式シーン。犯人に撃たれたとかじゃないから。

アルマンがいないことで、捜査能力が下がるっていう伏線なのか?今回の事件の捜査も超難航。

それにしても、カミーユがかわいそうすぎるでしょ。

犯人も、それはひどすぎるでしょ、と思った。

 

この事件の真犯人はカミーユのことと過大評価というかお父さんだと思っているね。

お父さんならこれくらいわかってくれる、お父さんなら、おとうさんなら・・・というコンプレックスのせいで「大人は傷つかない」と思っている子供のようにカミーユを傷つけた。

 

いやー、3部作の最終話ということでこれも期待を裏切らぬ面白さだった。

三冊連続読めば間違いなくこのちょっとひねくれた、絵のうまい、背の低いはげかけた(でもちょっといい男の)カミーユのことが好きになってしまうに違いない。

 

 

やっぱり、このミス1位はおさえとくべきだったな。と改めて思い知った。

毎年買ってはいるんだけど、今年も買うしかなかろーもん!

 

 

このミステリーがすごい! 2021年版

このミステリーがすごい! 2021年版

  • 発売日: 2020/12/04
  • メディア: 単行本
 

 

 

きゃー今年はコナン君が表紙だ。予約完了~

 

 

 

 

 

「遠野物語」謎のオシラ様に萌える

女は40を過ぎると着物が着たくなるというが、本読みは40歳すぎると、古事記とか、万葉集とか、遠野物語とかを読みたくものである。

  

・・・堂々と書いてみたが嘘だ。しかも40を過ぎたのは結構前だ。

 

京極夏彦をまとめて読んだら、急に遠野物語を読みたくなって青空文庫を読んだ。

なんか、民俗学学びたい気分。

 

遠野物語

遠野物語

 

 

現在の岩手県遠野市は、以前は山にかこまれた山間隔絶の小天地だった。民間伝承の宝庫でもあった遠野郷で聞き集め、整理した数々の物語集。日本民俗学に多大な影響を与えた名作。

 

面白いのは、どこどこのだれだれが実際に体験した不思議な話の集積という形でつまり「会いに行ける怪異」をまとめただけなのだ。

これって、上品な実録犯罪ムック本的な?ここまでではないか。というか、一緒にすんなか。

 

実録戦後 タブー犯罪史 (コアムックシリーズ)

実録戦後 タブー犯罪史 (コアムックシリーズ)

  • 発売日: 2006/01/20
  • メディア: ムック
 

 

でも、基本的には一緒なんだよ。 

誰かの祖父の知り合いがとか、今あそこに住んでるだれだれの祖先とか、まるで近所の人のうわさ話のように不思議な話が語られる。

 

そしてやはり気になるのは有名なオシラ様。

なぜか最近オシラ様が気になってしょうがない。なぜ気になるのかは全く説明つかないが、オシラ様について簡単に説明すると、有名なところでは千と千尋の神隠しにも出てきたが、実際には東北地方の家の神で、もっと雑に説明すると木の棒に布をかぶせたものだ。

 

 

ja.wikipedia.org

 

その姿は、千と千尋オシラ様とは全く異なる。

正直、モノクロ写真で見た私はぞっとした。

千と千尋のほうは、白くてふわっとして赤いビキニのような褌をはいた巨体ですよ。一瞬巨乳?と思われる口ひげが生えたやつ。。。といいつつ、絶対伝わらない自信があるのでリンク張っとく。一番でっかい白いやつがオシラ様)

amzn.to

 

さて、オシラ様は、 遠野物語の中では「馬娘婚姻譚」として有名。

短いのでこちら「いちのせき市民活動センター」さんよりで引用させていただく。

 

遠野の昔話「オシラサマ伝説(馬娘婚姻譚)」

 

 昔ある処に貧しき百姓あり。妻はなくて美しき娘あり。また一匹の馬を養ふ。娘この馬を愛して夜になれば厩舎に行きて寝ね、つひに馬と夫婦になれり。

 ある夜父はこの馬を知りて、その次の日に娘には知らせず、馬を連れ出して桑の木につり下げて殺したり。その夜娘は馬のをらぬより父に尋ねてこの事を知り、驚き悲しみて桑の木の下に行き、死したる馬の首にすがり泣きゐたりしを、父はこれをにくみて斧をもちて後より馬の首を切り落せしに、たちまち娘はその首に乗りたるまま天に昇り去れり。オシラサマといふはこの時よりなりたる神なり。

                          (「岩手・遠野伝承園」館内看板より)

 

ムホッってかんじでしょ?

ただ、青空文庫版は文語体で書かれているためすんなりとはわかりにくい。

 

というわけで、すんなりと読めそうな水木しげる遠野物語もゲット。

水木しげるの遠野物語 (ビッグコミックススペシャル)

水木しげるの遠野物語 (ビッグコミックススペシャル)

 

 

 座敷童、河童、鬼……生活の中から人々の想像力が生み出した妖怪が、今動き始める。妖怪の原点である柳田國男氏の名著を水木しげる氏がコミック化。日本妖怪史上最強の黄金タッグが実現。妖怪の里遠野紀行も併録。

 

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こんな感じ。口語訳以上、もはや、水木語訳。ちょいちょい、水木さん本人も出てきて楽しい。

 

というわけで、ここまで来たら普通の口語訳も読みたいんだけどどっちにするかなー

やはりここは京極夏彦版かな~

とはいえ、高校時代に井上ひさしもかなり読んだので懐かしいなぁ。

 

 

 

京極夏彦のえほん遠野物語第二期(全4巻セット)
 

こんな絵本がシリーズで出ていたことは知らなんだ。

これは図書館チェックだな。 

 

新釈 遠野物語 (新潮文庫)

新釈 遠野物語 (新潮文庫)

 

そして、井上ひさし版。

ああ、この表紙はたぶん安野光雅・・・好きすぎる。

 

というわけで、謎のオシラ様熱を発している私だ。

なぜこんなにオシラ様が知りたいのかが解明したらまたブログをアップする。

はず。たぶん。知らんけど。

 

 

結末を作らないリドルストーリー「追想五断章」」

米澤穂信の「追想五断章」を読んだ。

 

追想五断章 (集英社文庫)

追想五断章 (集英社文庫)

  • 作者:米澤 穂信
  • 発売日: 2012/04/20
  • メディア: 文庫
 

大学を休学し、伯父の古書店に居候する菅生芳光(すごう よしみつ)は、ある女性から、死んだ父親が書いた五つの「結末のない物語(リドルストーリー)」を探して欲しい、と依頼を受ける。調査を進めるうちに、故人が20年以上前の未解決事件「アントワープの銃声」の容疑者だったことがわかり――。五つの物語に秘められた真実とは? 青春去りし後の人間の光と陰を描き出す、米澤穂信の新境地。精緻きわまる大人の本格ミステリ

どのようにも受け取ることのできる終わり方というか、結末を読者にゆだねる物語をリドルストーリーというらしい。
正直、ストレスがかかるのでやめてほしい気もするが。

この小説はなんと5つの作中作がすべてリドルストーリで、どのようにも受け取れるその小説を探す古書店の青年の話。

 

その青年がまた辛気臭い事この上ないというか、単純な人には少し難しいというか、ちょっとひねってひねってひねり上げた作品というイメージだ。

 

だからと言って、面白くなかったわけではない。後半は一気に読み終えた。

 

父の死で学費を工面することができなくなった青年「芳光」は、大学を休学し叔父の古書店を手伝っている。

しかし、積極的に仕事を覚える気もなく、かといって復学の目途も立たず、常にタイムリミットがあるような焦りを抱えていて鬱々としている。

くらい。兎に角くらい。

 

当たり前のように大学受験というけれど、お金がなければ学ぶこともできないわけで、なまじ優秀な大学に入ってこれから、という時に休学しなくてはならなくなったら、そりゃ暗くなるわなぁ。

 

無軌道に犯罪を繰り返すよりよっぽどいいけども。

 

さて、芳光は「全く小説謎書きそうにない亡き父が書いたとされる小説」を探すよう、ある女性から頼まれ、一つ一つそれを見つけていくわけだが、その小説には仕掛けがある。

 

小説家は、結末だけを自宅の文箱に隠していたのだ。

 

結末の一文のみがわかっている小説を一つ一つたどりながら見つけていく古書探しのミステリー

 

誰かが殺されたり派手なアクションがあるわけでもないが最後まで結末がわからず(というか、正直読み終わってもいまいちわからず)面白い。

 

そう来たか、と思うはず。こんな謎の仕掛け方もあるのだなと。

 

そして、読み終わったとき本を閉じながら結局すっきりしなかったと私は思うのだ。

 

この作者の話はいつもそうだ、とも思う。面白かったんだけど最後に突き放されるというか。

なんというか、シンプルじゃないんだよな。そこがきっと人気の秘密だと思う。

 

読書の秋、チョイっとひねった話が読みたい方におすすめ。

 

 

買ったのは夏だが(ナツイチフェアで買った。そして買うときは勝手に死体を切断するミステリーだと思っていた)私もたいがい心が汚れているなぁ。

 

 

 

 

 

前半で投げ出さなくてよかった「禍家」

三津田信三の「禍家」を読んだ。

 

禍家 (角川ホラー文庫)

禍家 (角川ホラー文庫)

 

 

怪異が蠢く呪われた家で少年を襲う惨劇とは!?身の毛もよだつ最恐ホラー!

12歳の少年・棟像貢太郎は、東京郊外に越してきた。しかし、初めて住むはずのその家に既視感を覚えると、怪異が次々と彼を襲い始める。やがて貢太郎が探り出した、家に隠された驚愕の真実とは!?

 

最恐とか書いてありますけど、ほんとはそっこまで怖くない。

正直前半は、ちょっと退屈で何度か本を投げ出した。

あまりにも聞いたことある実話系怪談っぽいというか、夢を忘れて四半世紀のオバがこんなもんで怖がるかい!という、ただのホラーなのですわ。

 

しかし後半それこそ残りページが2ミリ(厚さかよ!)くらいになってからがぜん「面白く」なってくる。

やっぱり、一番怖いのは市井に暮らす普通の人を装った狂人であるなぁ。

 

これ以上言うとネタバレになってしまうので言えない。(つまりミステリとして読むのであればだが)

しかし、最終的には怪異は収束し、めでたしめでたしで終わるのだ。

最後に出てくる司ちゃんは、作者の過剰サービスというか。いい意味での嫌がらせで

めでたしめでたしで終わらせないぞ、という気概を感じた。

 

もうちょこっとだけ言わせていただければ、両親を亡くした主人公の少年貢太郎が、祖母とともに越してきた家で怪異が起こるのだが、祖母に気をつかって、まったく怖いとか言わないの。それも遠慮しすぎでどうかと思うが、

祖母よ!選択肢としてそれはないでしょ~~~?

だって、自分の息子家族が殺された家に唯一の生き残りの貢太郎を連れて引っ越してくるとか。ほとんど描写のない祖母だけどホントならここにも一種の恐さを感じる。

 

実際にもはもう少し複雑です。ぜひ読んでご確認を。

 

しかしこの本には、私が三津田信三に期待している民俗学的な要素とかが少なかった。

解説には三津田信三らしさとも言える「ペダンティック」的な部分が少なく、とあった。

なるほど~さすが、解説任される人はいいこと言うや。

 

いや、ペダンティックって言葉はググりましたけど。

 

ペダンティックとは・・・学問や教養をひけらかすさま。物知りぶったさま。衒学(げんがく)的。(コトバンクより)

 

悪口?になってそうだけど、確かにそういう感じ。

いや、悪口になってるけど言葉を選ばずいうのであれば、読みやすくって児童小説っぽいというか。いや、後半が子供には読ませたくないな。

 

で、せっかくペダンティックについて調べたので、「ペダンティック小説」をご紹介。

 

黒死館殺人事件

黒死館殺人事件

 

 

 

ドグラ・マグラ(上) (角川文庫)

ドグラ・マグラ(上) (角川文庫)

 

 

 

新装版 虚無への供物(上) (講談社文庫)

新装版 虚無への供物(上) (講談社文庫)

  • 作者:中井 英夫
  • 発売日: 2004/04/15
  • メディア: 文庫
 

 

ですって。ってかこれ、日本三大奇書ですやん!
そういえば、去年はドグラマグラを何とか読破したので、今年の目標は黒死館殺人事件にしよう。あと2か月で読めるのだろうか・・・

さっきからPCが国士館(健全な方)ばかり出してくるので、私のPCにもペダンティックな方の黒死舘がちゃんと出るように教え込まねばならぬ。

 

ichieda.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

有栖川有栖の心霊探偵シリーズ あわせて「幽霊シリーズ」

有栖川有栖の心霊探偵シリーズ「濱地健三郎の霊なる事件簿」と「濱地健三郎の幽れたる事件簿」を読んだ。

 

 

 

濱地健三郎の霊なる事件簿 (角川文庫)

濱地健三郎の霊なる事件簿 (角川文庫)

 

心霊探偵・濱地健三郎には鋭い推理力と幽霊を視る能力がある。事件の加害者が同じ時刻に違う場所にいる謎、ホラー作家のもとを訪れる幽霊の謎、突然態度が豹変した恋人の謎……ミステリと怪談の驚異の融合!

 

新宿にある「濱地探偵事務所」には、今日も不可思議な現象に悩む依頼人や警視庁の刑事が訪れる。
年齢不詳の探偵・濱地健三郎は、助手のユリエとともに幽霊を視る能力と、類まれな推理力で事件を解き明かしてゆく。 

 

心霊探偵、って何でもありかーい!と突っ込みたくなるが、そこはさすがの有栖川有栖。霊が見えるからって犯人がすぐにわかるわけではないのだ。

(現に作中で心霊探偵 濱地に「被害者の例が犯人を教えてくれて解決などということはそうない」といわせている)

 

心霊探偵は実際に霊を見ることによって「推理を組み立てる」探偵なのだ。

なので、なんとなくズルい解決の仕方に見えなくもないけれどあくまで、論理的にものを考えているし、やっぱりそれは霊能者ではなく探偵なんだと思う。

 

今回の主人公は「年齢不詳の紳士的な濱地」と「美人でスタイルがよくて絵が上手な」ゆりえのバディ。

 

絵がうまいゆりえのおかげで、超常現象を紙に描くことができるようになり、要するに霊の絵をかいて人探しができちゃったりするので、とても良い組み合わせなのだ。

 

濱地のイメージはどことなく、横溝正史の書く由利先生のイメージ。

年齢不詳で若くも年寄りにも見えるところとか。絶対意識していると思う。

(私の脳が横溝菌に侵されているわけではあるまい。)

 

短編集なのでよみやすい。本格的な本格作家が書く怪談といいましょうか。

秋の夜長にちょうどいいかも・

 

 

 

 

たとえて言うなら「絶妙+」和山やまのマンガ

立て続けに2冊、和山やまのマンガを読んだ。

本屋さんとかで少し前から気になっていた作品だ。

 

夢中さ、きみに。 (ビームコミックス)

夢中さ、きみに。 (ビームコミックス)

 

気になる君はうしろの席に――。
WEBなどで噂の作品たちが待望のコミックス化。
話題の作品「うしろの二階堂」は全ページ加筆修正のうえ、30ページ以上の描き下ろし続編を収録。

おいてる場所がBLコーナーだった?ために、とっても誤解していたよ。

ちょっと気になる男の子の絵だな(でもBLなんだろうな)と。

 

いや、このご時世でもあるし私もBL完全否定はではないのだが、アラフィフになってデビューしたくないというか。新たな扉を開いてしまうことへ、変化への恐れと受け取ってもらって構わない(要するに差別してるわけじゃないの!と言いたい)

 

で、娘(1号)の本棚にあったのを見つけさっそくこっそり読む。

 

ちなみにうちの娘(1号)によると、「私の本棚にあるやつは読んでも割と大丈夫だけど、2号の部屋のは、やばい。ガチ」らしい。(お母さん恐いよ!隠して!!!)

 

さて、このマンガなんというか「絶妙」だった。

ものすごくざっくりいうと、男の子同士の友情なんだけども、

同性間の淡い恋とかではなくて、 もちろん少年ジャンプ的な「一回神社の裏でタイマン張って育てる熱き友情」とかでもなくて(いつの時代だ)

なんというか、令和の時代の空気感がとてもよく表されていると思った。

 

いま盛んにLGBTについて認知が進んでいるけれど、

性別の前に人間同士の関係があって、それはもう各々のペアの数だけバラエティがあるのだと改めて気づかせされてくれるというか。

 

前半は男子校の林君を軸にし登場人物が潤に代わっていく連作、後半は二階堂君と目高くんの話。

 

いや、よかったわ。面白かった。
単純に「この人が気になる」でも好きとかではないなんだろうという、ほわほわっとした部分を救い上げるのが上手。

 

 

そして、最近発売されたこちらも娘の本棚にあった。

 

カラオケ行こ! (ビームコミックス)

カラオケ行こ! (ビームコミックス)

 

合唱部部長の聡実はヤクザの狂児にからまれて歌のレッスンを頼まれる。
彼は、絶対に歌がうまくなりたい狂児に毎週拉致されて嫌々ながら
歌唱指導を行うが、やがてふたりの間には奇妙な友情が芽生えてきて……?
話題の作品が描き下ろしを加えて待望のコミックス化!! 

 

こちらも、一筋縄ではいかない関係性!やくざと中学生男子の友情?にちょっぴりそれ以上の関係。

ま、全体としてはギャグマンガなのだけど。

突然現れたヤクザの狂児は、組長主催のカラオケ大会で最下位になりたくない(なぜなら組長に趣味の素人刺青を入れられてしまうから)がゆえに、中学生の合唱コンクールでが勝負部長の聡実に指導を乞う。

 

もう設定自体が面白いのだけど、聡実のビビりつつもはっきり物を言うところとか、狂児の人当たりの後ろに見え隠れするアウトサイドな一面とかがよすぎて、ちょっと言葉にできないので、他人様のレビューを読みまくってしまった。

(読みまくって、「ブロマンス」という言葉も学んだ)

 

いや、もう皆さん全くそうだ!説明の難しい魅力が詰まっていると思う。

そして、図らずもキュンキュンしてしまうというか、なんというか。

 

きっと、すごくニッチなとこを救い上げているのだけど、もっていき方がうますぎて

割と範疇外のアラフィフ(私だ)の胸にまで響いちゃっている感じ。

 

とはいえ、絵はまだ粗削りというか独特というか(一部、佐々木倫子の絵柄に似てると思ったんだけど。動物のお医者さん)。これから伸びる漫画家さんだと思う。

面白いマンガになかなか巡り合えないなーと思っている方におすすめ。

 

懐かしの動物のお医者さん。(わが家は今さら息子がはまり中)

 

 

動物のお医者さん 1 (花とゆめコミックス)