iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

「バーナード嬢曰く」オドラテクとはなにか調べた

年末になにげに楽しみにしている、バーナード嬢の新刊が出た。

今回はオドロキオドラデク号だ。

 

だ、と言われても、という感じだろうが。

カフカの短編小説に「オドラデク」と言うちょっとよくわからない物が出てくるんだそうだ。

 

www.aozora.gr.jp

 

青空文庫で読めるみたい。オドラテクって結局日本でいうあんまり害をなさない妖怪(木霊とか)みたいなものか。

すごく短い話なのだが、作中の「家の主」は思う。こいつらは死なないのかな?俺が死んだ後も俺の息子や孫の足元でかさかさと鳴くのかな・・・と。

人間は死ぬから、

死ぬものはみな、あらかじめ何らかの目標を持ち、何らかのやることをかかえている。そして、そのためにあくせくする。

のだそうだ。

かといって、オドラテクになりたくもないという、ふぁ~とした不条理。

 

 

 

 

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遠藤くんが、それを絵に描き起こしてくれるんだけど、やっぱりよくわからん。

 

 

今回は、友情編として2人のエピソードがまとまった小冊子が配布されている。

無料なので、施川ゆうき未体験の方はぜひ。

 

こういうの見ると施川ゆうきって、愛されてるんだなっておもうよね。

 

ちょっと内気で自分を出すのが下手な神林さんと、人付き合いの距離感がちょっとおかしい町田さわこ(バーナード嬢)。

 

みずみずしい高校生の気持ちが、ちょいちょい理解できなくなってることに焦りを覚えるけど、なんかいい。

 

ほんと、この人のよさって「なんか」なのよね~
絵は正直下手なので、それを補って余りある「なにか」がすごい。

 

というか、この人に画力が備わっていたらどんなことになるか。とさえ思うほど。

 

あ、下手は本人も言っているので悪口ではない。はず。

 

 

 

ちなみになぜ、町田さわ子のことをバーナード嬢と呼ぶのかは1巻に載っています。

kindleunlimited でよめるのでぜひ。

 

初夢みたかな「夢十夜」

いよいよ正月も終わった。

今日が仕事始めだ・・・

パソコンを開けただけ良しとしよう。がんばれ私、がんばれみんな。

働かざるもの食うべからずだよ。いっぱい食べたでしょ、正月。

 

 

さて、今年の初読書は格調高く?夏目漱石の「夢十夜」を読んだ。

 

というのも、最近は待っている近藤ようこの漫画訳「夢十夜」を手に入れたのでどんな感じかな~と思い。

 

 

死んでしまった美しい女との百年後の邂逅,逃れられない前世の因縁,明治の世に運慶が現れる不思議,自殺を試みた瞬間に味わう激しい後悔,断崖絶壁で夥しい数の豚に追い詰められる恐怖…….漱石の内面の孤独が色濃くにじみ,曰く言い難い十の夢が語られる珠玉の小品『夢十夜』を,名手近藤ようこが漫画に描く.

 

 

 

へー、マーガレットコミックスでも出てるんだ、と思って検索するとなんと夏目漱石のコミカライズが結構ある。

 

吾輩は猫であるから、坊ちゃんとか草枕まで・・・絵は少女漫画だけど。ターゲットがちょっと謎だけど幼き文学少女の卵向けとかかしらん。

 

頭の中でイメージできない昔の服装やなんかを絵にしてくれるのはありがたい。

絵柄がなまじ少女漫画に振り切れているので抵抗感ある人多いかもしれないが、青空文庫で(現代語訳じゃないときは特に)予習復習には良いと思う。

 

わかるようでわからない当時の風俗。中折れや半襟・・・第十夜で出てくるパナマ帽とかね。

 

私も娘の成人式の着付けでこれが半襟かあ、って思った。遅い。

 

まあ、今のアラフィフですら半襟?って思うものを小学生が知っているはずもないよな。

 

近藤ようこ訳の夢十夜はとっても漱石の文章に忠実だった。

第一話の、あの美しい女が「死ぬ」ところが良かった。

キラキラ輝く真珠貝で土を掘って埋めるところもよかった。

これが、漫画訳ってものなのだろうなと思う。

漱石近藤ようこが咀嚼して私の前の皿に載せた感動。

 

私は、そのかみ砕かれて消化が良くなった状態でおいしくいただくのだと思う。

まあ、その分自分の咀嚼力は弱るかもしれないけど。

 

特に有名な第一夜「だって死ぬんですもの」回と第三夜「背中のわが子がだんだん重くなる」回をご紹介。

夏目漱石夢十夜第一夜近藤ようこ著

この後、百年はもう来ていてたのだなと思った。で終わるところ素敵よね。

 

夢十夜第三夜近藤ようこ

ちょっと漱石先生ぽいところがいいよね。

この話なんか、今巷にあふれかえるちょっぴり怖い話とどこが違うのだろうと思うくらいちょっぴり怖いよね。文豪が作ったテンプレなのかしら。

 

サクッと読めるし、青空文庫と並走しながら読むとまたよし。

初夢が怖かった人も、忘れちゃった人もというか、そもそも初夢の話もすでに遅いし、という今日ですが、おすすめ。

 

肩の力をぬいて笑おう「100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集」

新聞の書評欄でみて面白そう~と思っていた福井県立図書館のレファレンスサービスの人たちの「100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集」を読んだ。

 

 

「とんでもなくクリスタル」「わたしを探さないで」
「下町のロボット」「蚊にピアス」
「おい桐島、お前部活やめるのか?」
「人生が片付くときめきの魔法」「からすのどろぼうやさん」
「ねじ曲がったクロマニョンみたいな名前の村上春樹の本」
「八月の蝉」「大木を抱きしめて」
「昔からあるハムスターみたいな本」

だいぶつじろう 池波遼太郎
……
利用者さんの覚え違いに爆笑し、司書さんの検索能力にリスペクト。
SNSでもバズりがとまらない!
クイズ感覚でも楽しめる、公共図書館が贈る空前絶後のエンターテイメント。
あなたはいくつ答えられる?

 

 

タイトルになっている「100万回死んだねこ」は佐野洋子の不朽の名作絵本「100万回生きたねこ」の覚え間違いだ。

 

まあ、100万回生きるためには100万回死んでるだけどもね。

それを言っちゃあ身もふたもないというか。

最後に本当の愛を知り、もう生き返ることがなくなるねこの話なんだけど、死んだ、になると少々ゾンビ猫感が出ちゃうよね。

 

 

扉を開くと遊び心が・・・

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図書カードって、最近は見ないけど昔は学校の図書館とかで依然借りた人の名前が書いてあったりして面白かった。

今の考えると信じられない個人情報の開示だけど、結構好きな先輩が借りた本を探して借りたりしてる人いたよねー

 

私も一回やったことがある。

たしか、トビハゼがなんかの写真絵本で、わーすごい、いろんな人がいるんだなぁと思った。自分じゃ絶対選ばないからね。

 

それにしても、図書館のリファレンスサービスってなかなか大変そうだなぁ。

でも、読みたい本が見つかったときはさぞやすっきりすると見た。

それこそ本屋探偵?みたいに。

 

こちらで、インターネットで日々更新されている覚え違いが閲覧可能。

福井県立図書館 | 覚え違いタイトル集

 

早速、梶山秀夫の「中落ち」(なかおち) →半落ち』(はんおち)横山秀夫∥著

というリストを見て噴き出す。

中落ちはおいしそうだ・・・半落ちも最後確かラーメン食べるとこおいしそうだけど。

 

 

学生時代本屋でアルバイトしていた時も結構うろ覚えタイトルの人が多くて、しかもなかなかの理不尽部ぷりで困った記憶があるが、当時はインターネットとかないから仕方がなかったよね。

 

とおもいきや、図書館の蔵書検索サービスはなかなか厳しいらしく助詞がひとつちがうだけで全然ヒットしないらしい。使う側の知識も厳しく求めちゃう感じ?

 

年末年始、肩の力をすっと抜くのに最適な本。

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな聖徳太子あり?!「日出処天子」

 

厩戸王子(聖徳太子)と蘇我毛人(蘇我蝦夷)を中心に、主人公である厩戸王子が少年時代を経て、摂政になるまでを描く。聖と俗、男と女という矛盾を抱える厩戸王子の圧倒的な存在感に加え、厩戸王子を天才・超能力者・同性愛者として描く斬新さが特徴。厩戸王子には超能力を持っているとでもしなければ説明できないような逸話が『聖徳太子伝暦』などに残っており、これはこうした伝承・伝説を積極的に採用したものである。

 

いやー久々にマンガの一気読みした。

話題作でなくて申し訳ない。が、傑作は色あせない。

聖徳太子といえば(昭和の社会科では)「一万円札の人」で「十人同時に話しができた人」というイメージだが、最近「聖徳太子はいなかった説」があることは知っていた。

先ほど検索したら「一人でやった仕事としてはすごすぎるから」みたいな理由だったのでぎゃふんだ。いやいや、こちらのマンガよんでみるがよろしい!

皇子は超能力者だからね。やれる。

 

この漫画のすごいところは、当時少女漫画としてここまでいろんなタブーの話を描き切ったところだ。

同性愛や近親婚、そして障碍者との性の話など話題にするのが難しいテーマを少女漫画という分野で描き切っている。

 

厩戸王子(聖徳太子)はあまりにも美しく、あまりにも孤独で、しかし天才すぎて近寄りがたい。

 

素直に人を愛することができない、それは愛した人が同性だったからだけではなく、母親への愛情も表現がドヘタすぎて、最後の最後まで読者にすら気づかせない。

 

毛人(えみし)に振られた皇子が最終的に彼が妻とした人は、母親にそっくりの人(しかし明らかに障害を抱えた意思疎通できない身分も低い人)

「お母さんの大好きやったんかーーーい!」とせつなさに身もだえる。

 

あんなにも愛情表現のヘタクソな皇子が、最後にそれはそれはストレートに毛人に「好きだ」と言った時、この話が30年以上前に書かれていたことも忘れて誰かと話したくなった。(仕方がないので娘に読ませた)

 

マンガをよんで「~~~~~!」って足をバタバタさせたくなる気持ち、ほんとに久々だった。

 

毛人も、「二人が共に男として生まれたのは一緒になってはいけない運命だからだ」と拒絶をする。

 

せつないよ!せつなすぎてなんか涙とともになんかしらの刹那汁(?)が出るよ!

 

山岸涼子って、それこそ物心ついたところからいるし正直良さがわかってなかったのだが、何をもって敬遠していたのか全く分からん。若き頃の自分の不明を恥じるわ。

 

大御所中の大御所は今年、自身の作品の電子書籍化を許可した模様。

これで、探し回らなくても手に入るようになる~

ddnavi.com

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はじまりましたよ「ブラックフライデー」

ああ忙しい、忙しい。

 

何が忙しいかって、仕事ではなくアマゾンさんのブラックフライデーキンドル本チェックが忙しくって。

 

あほか、とお思いでしょうが(いや、自分でもあほかと思っている)

対象がもう何万冊?知らんけど安くなってるらしいので、さすがに全頁チェックするわけにもいかず、しかもこのわざとか?っつーくらい検索しにくいアマゾンのページでポチポチ購入したい本を選んでいくわけなので大変に時間がかかるのである。

 

ただ、やめられないのである。

 

ブラックにかけて96(くろ)円からとなっているが、正直魅力的な本は少ない。

私にとって魅力的じゃない、だけではないと思うこのラインナップ・・・

kindleunlimitedと重複している本も多いしねー

 

 

その中で、
あ、でもこれ読みたかった~とか、

最近追いかけてないけど昔は待っててた作家とか、

初読みで気になっている作家とか

 

チャレンジするのはいいと思う。

(自分でもびっくりするくらいブックオフの店内放送くさい)

 

もはや読書熱というよりお宝さがしの楽しさになっている感あり。

 

これは、あれよ。ブックオフの100円棚に熱心に見入ってしまうのと一緒だわ。

 

どうやら、今日また新しく対象の本が増えたようなので、とりあえず見たほうがいい!

Amazon.co.jp: 最大80%OFF Kindle本キャンペーン: Kindleストア

 

今回私が購入したのはこんな感じ。

 

 

実話系怪談ができるまで、的な話みたいで面白そう。

これ系の本って、安くなる系と安くならない系があるんだが、こちらはなかなか値下げしないタイプ(だと思っている)

 

 

絵のかわゆさとレビューの高さで。後、昔試し読みした漫画が購入には至らぬものの心に残ってたから。

 

 

新聞の書評欄で紹介されていた、父娘におよる会話エッセー。

父も娘もあの、池澤さんです。

 

 

勢いで買ってしまった。春夏秋冬各一冊あるのに夏をとりあえず購入。

挿入画が素敵。そして、ノートがノオトになってるあたりがしびれる~

 

 

 

 

どなたかがはてなブログで読書感想をかいてて面白そうだったなと。あと、作家の名前があまりにも武将なのにSFってのにも引っかかる。

 

 

でも、まだまだ勝負はこれからな気分なのでゴリゴリチェックしたいと思います!

 

おすすめあったら教えてください!

はてなブログ10周年特別お題「はてなブロガーに10の質問」

お祭りがあっているので参加しなくちゃ。

 

ブログ名もしくはハンドルネームの由来は?

本名、というか旧姓。

女性は二つの名前を持つことになるのでここら辺面倒でもあり新鮮でもあり。

はてなブログを始めたきっかけは?

とりあえず、読書記録をつけたくて始めたんだけど初年度はすべての本を記録していたが、今では読んだ本の5割も記録していない。

厳選された?おすすめ本の紹介である(ちがう)

 

自分で書いたお気に入りの1記事はある?あるならどんな記事?

とりたてて思いつかないが、金田一耕助に関する投稿。

ある程度読み終わってしまったので最近は情熱をぶつける相手を模索中。

 

ブログを書きたくなるのはどんなとき?

読書後?というか、忙しい時に限って書きたくなるもんです。

 

下書きに保存された記事は何記事? あるならどんなテーマの記事?

3記事くらい。

手塚治虫火の鳥全巻読破後、感想を書き始めたけど壮大すぎてまとまらずずっと手付かず。天才をたたえるのはある程度努力が必要。

自分の記事を読み返すことはある?

あるある、割と読む。そして誤字をみつけてあちゃーってなる。

最終的には開き直る。

 

好きなはてなブロガーは?

めちゃくちゃ好きだった人が更新をやめてしまわれて・・・

いつもスターをつけあう仲の人はおりますが、告白するほど煮詰まっていないっていうか。

 

はてなブログに一言メッセージを伝えるなら?

いつもお世話になっております。

無料で発表の場を与えてくれるなんてなー

恵まれてるなー現代人。

10年前は何してた?

働いて子育てしてた。今も。

子どもは育つし仕事の内容も変わったし家電も進化したけれど、10年という言葉のインパクトほど私は成長していない気がする。

この10年を一言でまとめると?

総じて楽しかった。

生きてるし食べれてるしそれなりに仕事もあるし。

あ、ネコを飼い始めた。幸せはここにある。

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奇跡のバランス「そして、バトンは渡された」

瀬川まいこの「そして、バトンは渡された」を読んだ。

本屋大賞受賞し、最近映画化もされた話題作。

 

私は映画の父親役森宮さんのことを、なぜかずっとムロツヨシが演じていると思い込んでいて、読んでる間中ずっと脳内映像ではムロさんだったのだが、なんと演じているのは田中圭だった。

 

なんで、ムロさんだと思い込んでいたか、というと多分こっち(映画『マイダディ』)と混乱したんだけど、こちらも血のつながらない父娘の話なので当たらずとも遠からず?

 

とにかく、脳内ムロさんだった森宮さんが素敵すぎる小説であった。

 

さて、この話。ものすごく簡単にあらすじを紹介すると「何度も親が変わる女の子のお話」

それだけを聞くと、血のつながらない親子関係の苦労、かと思いきやそうではない。

 

幼いころ母と死別した優子ちゃんは、父親の再婚でりかさんという新しい母親を得る。

ここで、ふつうはイコール不幸な展開が待っていそうなのだが、りかさんはちがった。

 

「産んでもいないのに子供が育てられるなんてラッキー」

とばかりに、離婚後も優子ちゃんを引き取る。

 

そして、再婚、離婚を繰り返しそのたびに優子ちゃんは名字が変わるのだが、いつもそこにはりかさんの深い愛情と優子ちゃんの朗らかさと強さが奇跡のバランスをもって、幸せな家族をつくる。

 

最後の家族は全く血がつながらない37歳の父親と17歳の女子高生、という一見してなんかエロ小説家のが好みそうな状況になるのだが、父も娘も本当にまっとうな人たちで、汚れたまなざしを受け付けない。

 

そして、離婚と再婚をくりかえして優子ちゃんを振り回している魔性の女みたいに見えるりかさんのパワフルさよ!

 

りかさんの原動力は「こども」なんだ。

 

そして、いきなり女子高生の娘を育てることになった森宮さんの原動力も「こども」

 

血のつながらない「こども」を幸せにする、それだけが原動力の二人にちょっと恥じ入る。

三人もいる血のつながったこどものためにそこまでやっているのか、私。

 

少なくとも子供にピアノを弾かせるために再婚する、という発想は出てこない。

 

 

いやー、いい話を読んだなぁ。さすが本屋大賞だなぁ。

 

でも、実際にはおそらくこんな幸せな家族を作るのはむずかしくて、ほとんどは犠牲を強いられるこどもと自分勝手な親という構図になると思うんだよね。

 

だからこその奇跡、現代版おとぎ話としてみんなが感動するのだろう。

愛の形は恋愛だけじゃないんだよ、というのがわかる。

クリスマス前に見たい映画。

 

でも、先ほど映画予告編をみたところ、たぶん原作とちょっと違うのかな?

原作には出てこない子役がでてきております。

無条件に人を愛する、人のために生きる姿を垣間見たくなったらぜひ。

自分にはできないけど。

 

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